では今回も、はじめの一歩考察chやっていきたいと思います。
今回は、「はじめの一歩」作中から衝撃を受けた名試合をランキング形式で解説していこうと思います。
一緒に当時の感動の思い出に浸りながら、楽しめたら嬉しいです。
それではさっそくいきましょう。
- 【幕の内一歩VS小島寿人】1ラウンドKO(単行本96~97巻)
- 【千堂武士VSアルフレド・ゴンザレス】4ラウンドKO(単行本128~130巻)
- 【宮田一郎VSジミー・シスファー】4ラウンドKO(単行本15巻)
- 【鷹村守VSモーリス・ウエスト】6ラウンドKO(単行本41巻)
- 【幕の内一歩VS間柴了】3ラウンドKO(単行本9~10巻)
- 【伊達英二VSリカルド・マルチネス】10ラウンドKO(単行本37~38巻)
- 【青木勝VS今江克孝(かつたか)】判定ドロー(単行本50~51巻)
- 【幕の内一歩VSアルフレド・ゴンザレス】7ラウンドKO(単行本105~109巻)
- 【板垣学VS今井京介】1ラウンドKO(単行本105巻)
- 【幕の内一歩VSウォーリー】8ラウンドKO(単行本90~93巻)
- 【ヴォルグ・ザンギエフVSマイク・エリオット】5ラウンドKO(単行本101~103巻)
- 【間柴了VS沢村竜平】反則負け(単行本72~74巻)
- 【幕の内一歩VSアントニオ・ゲバラ】4ラウンドKO(単行本118~120巻)
- 【鴨川源二VSラルフ・アンダーソン】7ラウンドKO(単行本45~46巻)
- 【幕の内一歩VS沢村竜平】7ラウンドKO(単行本53~55巻)
- 【宮田一郎VSランディー・ボーイJr】7ラウンドKO(単行本86~88巻)
- 【リカルド・マルチネスVSウォーリー】6ラウンドKO(単行本137~138巻)
- 【木村達也VS間柴了】9ラウンドTKO(単行本32巻)
- 【幕の内一歩VS千堂武士】7ラウンドKO(単行本29~30巻)
- 【鷹村守VSブライアン・ホーク】8ラウンドKO(単行本43~44巻)
【幕の内一歩VS小島寿人】1ラウンドKO(単行本96~97巻)
一歩と戦った小島は、青木と同じライト級からフェザーへ転向してきたボクサーです。
小島の2階級上の破壊力と正面衝突で戦うことになった一歩は、ハードな筋力トレーニングによってパワーと耐久力重視の体を作り上げていきました。
一方、小島は後輩たちや宮田の前で「渾身の一撃を先に確実に入れる」方法があると豪語しており、挑戦する相手が幕の内じゃなければ意味がないと意味深な発言をします。
後楽園ホールで偶然出会った小島は、一歩の過去の対戦相手を「能無し」「ダメボクサー」等と辛らつな言葉を浴びせ、雑誌のインタビューでも同等の発言で一歩を挑発し続けました。
ただ、小島は元々一歩の大ファンなため、勝負に「憧れ」という余計な感情を持ち込まないために挑発を続けていたことが後から発覚します。
過酷な減量に取り組む小島に対し、一歩はダンベルをくわえながらたった親指一本でつま先立ちしながらのスクワットによって体重移動と蹴り足の強化に励んでいました。
過去最強の破壊力を持ったパンチを放つパワー重視の体ができあがった一歩は、試合前日の計量日に再び小島と顔を合わせます。
そこで小島は、一歩の弱点が「戦い方を指導する鴨川会長が悪い」とダメ押しの挑発をしたことで、一歩は初めて敵意むき出しの表情で相手を睨みつけます。
試合当日、控室で鷹村に「すぐに終わらせます」と普段は口にしないような言葉を発し、気合十分でリングに向かいます。
一方、小島の控室では後輩に幕の内対策の全貌を明かしていました。
一歩は、相手の左に対し必ずダッキングして斜め下から伸びあがりながら左フックを放つ、攻防連動したワンパターンの動きをすることに気づいた小島は、伸びあがってきたところへカウンターで合わせる作戦を立てていました。
リング入場が始まると、一歩はずっと下を見て顔を上げようとしませんでした。
ゴングを待つ間も、コーナーを小さく叩きながら会長の言葉も耳に入らず、ひたすらに集中しているように見えました。
試合開始のゴングが鳴り、小島と目を合わせた瞬間に、一歩の胸や頭の中はドス黒いモノが渦巻き始めます。
試合開始から1分経過しても両者動かず、レフェリーの声掛けにも反応しないまま、時間が過ぎていきました。
すると、ゆっくりと左右に頭を振り始めた一歩は徐々にスピードを速め、ノーガードで一直線に小島の元へダッシュします。
小島は作戦通り左を突き出し、一歩はダッキングで相手の懐に入りますが、小島は一歩のパンチを放つ瞬間を目で追っていました。
小島の左がテンプルに直撃し、宣言通り約2トンの正面衝突となった一歩の体は後方へ吹き飛びます。
片足が浮き上がり、誰もが一歩の敗北を予想した瞬間、「殴られたら全員の顔を思い出せ」と鷹村にアドバイスされたことを思い出し、ギリギリで踏みとどまります。
パワー重視で極限まで鍛え上げた身体で放った一歩の100%フルスウィングは小島の顔面にめり込み、一回転ダウンとなりました。
激しく頭を打ち付けた小島を見たレフェリーは即座に体当たりで一歩を止めると、両手を交差し、試合終了となります。
これが、一歩が作中で初めて見せた全力の一撃単発KOシーンです。
なお、「はじめの一歩」作中でハデな一撃KOシーンを考察した動画をこちらにアップしております。
概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひこちらもご覧ください。
【千堂武士VSアルフレド・ゴンザレス】4ラウンドKO(単行本128~130巻)
千堂は試合が始まりグローブを合わせにいくところで下から拳をはね上げ、アウェイのリングで本能むき出しでゴンザレスへ向かっていきます。
しかし、大舞台に場慣れしているゴンザレスは千堂のパンチに対し、丁寧な左から鮮やかなコンビネーションで迎撃します。
全弾フルスウィングで襲い掛かる千堂に対し、左で距離を測りつつ正確にパンチを放つゴンザレスによって、早くも千堂の顔が紅く染まっていきました。
第二ラウンドも左でペースを握られる千堂ですが、徐々に持ち味の「よけ勘」と「適応力」を発揮し、ゴンザレスがガードするシーンが増えていきました。
一気にコーナーポストまで追い詰め、このまま千堂が攻め切ると思われた矢先、ゴンザレスの鋭いショートアッパーによって後退します。
ゴンザレスは、世界前哨戦で一歩と戦ったことによって、血を好むどう猛さとトップレベルの技術力が融合したファイトスタイルを手にしていました。
ゴンザレスは千堂と同様にラフなパンチを繰り出しますが、カウンターを連続で合わせながらコーナーへ追い詰めていきます。
ここで千堂の豪快なアッパーでリング中央に押し戻すと、無酸素状態で火の出るような打ち合いが始まります。
しかし、千堂のパンチはまったく当たらないまま、第二ラウンド終了のゴングが鳴りました。
「当たらないなら当たるまで打つ」そう覚悟を決めた千堂のパンチは、第三ラウンドに入ると、徐々にカスるようになってきます。
この二人のファイトに会場中が拳を振り上げ足を踏み鳴らす「ララパルーザ」が起こり、大声援が飛び交います。
躍動し始めた千堂の右スマッシュがボディに入ったところで、第三ラウンド終了のゴングが鳴ります。
迎えた第四ラウンド、千堂はゴンザレスのコンビネーションの繋ぎに相打ちを狙い始め、パンチが当たり始めました。
どちらも限界を超えた打ち合いが続く最中、突然レフェリーが試合を中断します。
呆然とする千堂は、試合を終わらせようとするレフェリーに対し猛抗議をしますが、グローブを固定するテープが剥がれかかっていたことに柳岡トレーナーが気づきます。
千堂の疲労とダメージを抜くためにわざと時間をかける星を見た一歩は、「千堂さんは滾っている」「冷やしちゃダメだ」と大声を上げます。
一歩の言葉を聞いた千堂は咆哮を上げ、リング中央で再び身の毛もよだつ打ち合いが始まりました。
千堂はかつて一歩を沈めたゴンザレスの右のカウンターを警戒してどこかセーブをかけていましたが、一歩の声を聞いてタガを外し、ワイドオープンで襲い掛かります。
軌道丸見えのフルスウィングに対し、ゴンザレスはカウンターを合わせようとしますが、あまりの迫力に後退し、さらに千堂はスマッシュで追撃します。
間一髪ブロックが間に合いますが、ガード越しでもダメージが見て取れるゴンザレス。
気迫で上回る千堂の右ストレートに対し、腕の痺れで反撃できないゴンザレスは、なんとかつて一歩がカウンター対策で実行した額で拳を受けるやり方を選択します。
脳を揺らされたゴンザレスはロープに寄りかかり、フルスウィングで打ち付けた千堂の右拳の骨は折れてしまいます。
吐き気がするほどの激しい痛みで動きが止まる千堂。この間に腕の痺れが回復したゴンザレスは、カウンター迎撃態勢を取ります。
互いの左の相打ち三連続でロープはたわみ、ヒザは笑い、リング上に血飛沫が舞います。
千堂はなんと骨折した右拳で襲い掛かり、ゴンザレスはかつて一歩をKOした右のカウンターで迎え撃ち、千堂はゆっくりと前のめりに倒れます。
しかし、ゴンザレスの足元から左のスマッシュを振り上げるとアゴへジャストミートし、垂直に上がったゴンザレスの体はヒザをつき、ゆっくりと前のめりに倒れました。
レフェリーはゴンザレスの顔を覗き込むと、即座に試合終了の合図を入れ、千堂は勝利し、リカルドとの世界戦が内定することになります。
【宮田一郎VSジミー・シスファー】4ラウンドKO(単行本15巻)
宮田は、東日本準決勝で間柴に敗れ、一歩との差を埋めるために海外へ武者修行へ出ることを決意します。
しかし、タイで無名のボクサーと対戦し二度のダウンを奪うも判定にもつれ込み、ドローの結果に終わってしまいます。
一歩が沖田を下し日本ランク5位となったニュースを聞いていた宮田は、無名の選手相手にドローで終わってしまった自分を恥じていました。
そんな時、タイのカリスマ「ジミー・シスファー」からていのいいかませ犬として指名され、宮田陣営は本人に黙って断ろうとしますが、ジムでウワサを聞きつけた宮田は父へ詰め寄ります。
次の試合はJライト級で行くと告げた父に対し、宮田は「減量からも目の前の敵からも逃げて、世界にたどり着けるわけがない」と反発します。
宮田の父は、宮田のパンチが軽くムエタイ出身のタフなジミーにカウンターが通用しないと宣告しますが、それでも宮田はジミーと戦うことを宣言し、部屋を出ていきます。
ジムでシャドーをしながら、カウンターで倒れない相手をどう倒せば良いか悩んでいると、パヤオに声を掛けられます。
パヤオについてきた弟のチャナから「イチローのようなカウンターが打てるようになりたい」と言われますが、自信を無くしていた宮田はその場を去っていきました。
しかし宮田は、ここでの会話をきっかけに「カウンターを超えるカウンター」ジョルトへたどり着きます。
減量でフラフラの状態でパヤオとスパーをする宮田は、カウンターチャンスを何度も失敗しますが、クリーンヒットをほぼもらっていないハズのパヤオは、体のシンに残っているダメージを感じ取っていました。
賭け率30対1となった試合当日、宮田は控室で格上相手との勝負前にナーバスになっていました。
気持ちを作れずに苦しむ宮田ですが、いつも格上の相手と戦い勝ってきた幕の内一歩の姿を思い出し、リングへ上がる覚悟を決めます。
一方で、月の生活費全額を宮田へ賭けたパヤオは、チャナと共に試合会場へ向かっていました。
会場へ到着すると、第三ラウンドを迎えた宮田の顔は血で紅く染まり、すでに満身創痍の状態でした。
ジミーの強烈な右フックを喰らいついにダウンを奪われた宮田。
ここまで従来通りのアウトボクシングで戦ってきた宮田は、ここでようやくフっきれてジョルトを狙う覚悟を決めます。
ジミーの強烈なフックをガードし、わざと左ガードを下げて右フックを誘った宮田は、ここで前足に全体重を乗せてジョルトを放ちます。
しかし、宮田のカウンターは失敗し、頭をリングに叩きつけて二度目のダウンを奪われてしまいます。
宮田陣営はタオルを投げ込もうとしますが、ロープにもたれかかりながらゆっくりと立ち上がる宮田。
ジミーのフックで鼓膜が破れ、意識が混濁している状態の宮田に対し、父はカウンターを成功させる秘訣はタイミングとハートだと伝え、ジョルトを打つ指示を出します。
宮田の父親も、かつて自分自身のパンチの軽さを思い悩み、東洋太平洋タイトルマッチでジョルトに挑戦した過去がありました。
宮田の父親は、アゴを砕かれはいつくばる様を一部始終みていた息子が同じ結論を出したことを受け止め、最後まで見届ける覚悟を決めていました。
宮田はジミーの右フックを受けてスコールのような耳鳴りがする中、「ボクシングをする理由が分からない」というチャナの言葉を思い出します。
ジミーの左をよけてアッパーを返し、前のめりによろける宮田。ここをチャンスと見たジミーが右を放ちますが、これは宮田の布石でした。
ここから捨て身で放った宮田のジョルトカウンターがクリーンヒットし、逆転のダウンを奪い返します。
コーナーポストでリングに背を向けたまま、カウントを聞く宮田。
すると突然会場から大歓声が沸き起こり、恐る恐る後ろを振り返ると、ジミー陣営からタオルが投入され、レフェリーが試合終了の合図を出していました。
宮田のジョルトによってジミーは失神しており、宮田は大番狂わせの見事な大逆転KO勝利を収めます。
リングを下りて退場する際、チャナと目が合うと宮田は初めて笑顔を見せました。
試合の賭けに勝ったご機嫌のパヤオとチャナにお別れのあいさつをする際、宮田はカウンターの極意を伝えます。
タイ国を発ち、次の遠征先へと旅立つ宮田のその後は作中で描写されていませんが、凱旋後は東洋太平洋王者となり一歩との間にできた差を埋めるほどの強さを身に付けていきます。
【鷹村守VSモーリス・ウエスト】6ラウンドKO(単行本41巻)
当時、ミドル級がベストウエイトだった鷹村にホーク陣営から世界戦の話が舞い込んできました。
しかし、10月にJミドル級で世界前哨戦を控える鷹村に対し、ホーク陣営は12月に試合をしたいと打診してきます。
試合感覚が短い上、2試合連続でJミドル級の減量をしなければならなくなった鷹村は、過酷なトレーニングを開始します。
しかし、夏の合宿で青木とモメた鷹村はフナムシ入りのお好み焼きを食べたことで調整に失敗し、ゲッソリした体でリングに姿を現しました。
チカラが入らない鷹村は、ゴングと同時に対角線上にダッシュすると、いきなり暗雲を振り払うかのようなラッシュを繰り出します。
フェイントを入れて右ストレートをクリーンヒットさせますが、鷹村のパンチに対しウエストは表情一つ変えず余裕の表情を見せます。
パンチが効いていないことに気づいた鷹村は、バックステップするとカウンター狙いで打ち合いに誘いますが、ウエストはこの作戦を見抜き、微動だにしません。
この態度に業を煮やした鷹村は猛然とパンチを振るい、終始攻め抜いた鷹村のポイントリードで第一ラウンドが終了しますが、その代償として残りわずかな体力を削り取られてしまいました。
短期決戦しかない鷹村は二ラウンド以降も攻め続けますが、時折左を当てるだけで終始ディフェンスに徹するウエスト。
徹底したウエストのアウトボクシングに会場中のフラストレーションが溜まりますが、第六ラウンドを迎えついに鷹村のスタミナが底をつき失速してしまいます。
鷹村に力がないことを確信したウエストは腰を入れたパンチを連発し、鷹村はロープ際でサンドバック状態で打たれ続けます。
ガードが空いた鷹村へ渾身の右を放つウエストに対し、鷹村は相打ち狙いでカウンターを仕掛けます。
しかし、相打ちで腰を落とした鷹村は打ち負けてしまい、追撃するウエストにクリンチで難を逃れます。
レフェリーがクリンチをほどこうとしますが、鷹村は観客席を凝視したまま動こうとしません。
すると、鷹村の視線の先にWBC世界Jミドル級王者、ブライアン・ホークが試合観戦していることに鴨川陣営が気づきます。
ブレイク後、即座にロープ際へ追い詰められる鷹村は、行方不明だったはずのホークがなぜ日本に現れたのか、その理由について考え始めました。
ただ、何より女性連れでニヤけながら試合観戦するその態度にキレた鷹村は、またもウエストに対し相打ち覚悟のパンチを繰り出します。
重量級のカウンター合戦が始まり、明らかに鷹村に不利な状況と思われましたが、ロープ際にいたはずが気づけばリング中央まで押し戻す鷹村。
対するウエストは、相打ちの連続でついにロープ際まで追い詰められてしまいます。
ウエストは再び襲い掛かりますが、鷹村はなんと場外へ吹き飛ばす逆転KO勝利を収めてしまいます。
リング上で仁王立ちのまま睨みつける鷹村に対し、称賛の拍手を送るホーク。この二人の因縁はここから始まります。
【幕の内一歩VS間柴了】3ラウンドKO(単行本9~10巻)
一歩は、東日本準決勝で間柴が宮田に対し明らかに故意で足を踏んだ反則行為に対し、怒りを募らせていました。
試合後、宮田陣営の元を訪れる一歩ですが、宮田の父からたった一言「すまなかった」と伝言を聞かされ、自販機を叩き壊して後楽園ホールを去ります。
翌日、間柴への怒りが収まらない一歩は一心不乱にサンドバックを叩き続け、その様子に気づいた鷹村が止めに入りますが、すでに一歩の拳は血だらけとなっていました。
このケガによってしばらく拳を使う練習ができなくなった一歩は、間柴の懐へ入るスピードを身に付けるために来る日も走り込みをスタートします。
その後、鴨川ジムを訪れた藤井の口から、幼いころに両親を亡くし苦労してきた間柴兄弟の生い立ちを聞かされた一歩ですが、「それでもあの反則行為は許せない」と間柴への怒りがまったく解消されてなかったことが発覚します。
間柴のフリッカーをかいくぐり、左ガードが下がっている弱点を突く作戦を立てますが、会長室にいた鷹村は「リーチ差20cm」の壁をかいくぐれずにいたら、一方的に打ちのめされることになると警告します。
試合当日、ゴングが鳴るといきなりダッシュで距離を詰めた一歩が襲い掛かりますが、距離を取った間柴のフリッカーを逆にもらってしまいます。
宮田の反則に対する怒りもあり、冷静さを失った一歩は頭を振る動きを忘れて固まってしまい、序盤からフリッカーの連打をまともにもらってしまいます。
フリッカーでロープ際に追い詰められた一歩は間柴のKOパターンにハマりますが、間一髪でチョッピングライトをかわし難を逃れます。
打たれながら徐々に頭を振る動きを思い出した一歩は、タテ・ヨコ・ナナメに小刻みに動き、間柴は的を絞れず手が止まってしまいました。
そしてようやくフリッカーをかわし懐へ飛び込んだところで、第一ラウンド終了のゴングが鳴ります。
続く第二ラウンドも間柴のフリッカーをかわし、懐に入る一歩は右からボディを狙いますが、間柴はここにエルボーブロックを合わせてきます。
また劣勢となる一歩ですが、なんと間柴のエルボーブロックの上から構わず強打を叩き続け、突き上げていきます。
宮田が足を引きづって戦った姿を思い浮かべながら、繰り返し間柴のガードの上から叩き続ける一歩。すると、なんと間柴のヒジが壊れてしまい、腕が上がらなくなってしまいます。
ここから一歩の左右のコンビネーションで一気に形勢逆転し、ここで第二ラウンドが終了します。
セコンドに戻った一歩はなおも右を打とうとしますが、すでに骨が折れ拳の肉を突き破っている状態に鴨川会長は棄権させようとします。
しかし、宮田の仇を打つと決めた一歩は譲らず、このまま第三ラウンドへ戦いに出ます。
フリッカーがなくなった間柴の懐へ入れるようになった一歩は、徐々にペースを掴みボディブローが的確に決まるようになります。
一歩のボディでついにアゴが下がり、温存していた右を放とうとしますが、ここで間柴はもう一度ヒットマンスタイルを構えます。
「フリッカーが打てるはずがない」と一歩は構わず右を放ちますが、カウンターをもらってしまい後方へはじけ飛びます。
そこから渾身のチョッピングライトでダウンを奪われた一歩。
もう諦めようとしますが、間柴の足がダメージで震えている様子を見ると、「自分だけ右を温存させようなんて大甘だった」と決意を固めます。
ダウンから立ち上がり、間柴の右をかわすとなんと右のトリプルを放つ一歩。
しかし、間柴はギリギリで踏みとどまりクリンチでピンチを逃れようとしますが、さらにボディを叩き無理やり距離を取ります。
ここでようやく間柴のアゴへアッパーがクリーンヒットし、崩れ落ちてきたところを右ストレートでとらえた一歩は、ようやくこの試合初のダウンを奪います。
血だらけの間柴は立ち上がろうとしますが、ここで一歩の逆転KO勝利が確定し、この年の東日本新人王に輝きました。
【伊達英二VSリカルド・マルチネス】10ラウンドKO(単行本37~38巻)
7年越しの雪辱に燃える伊達とリカルドの試合は、伊達がいきなり左をクリーンヒットさせる驚きのオープニングを迎えました。
ステップを踏み立て直そうとするリカルドに対し、伊達は頭をゴリゴリ押し付けて一気にロープ際に追い詰めていきます。
しかし、伊達の動きを冷静に見極めたリカルドは、体を入れ替えてすぐさま左を放ちますが、伊達もスリッピングアウェイでいなし、高度な技術戦の応酬となりました。
左の応酬が続き膠着状態となりますが、互いに右の大砲を打とうとしたところで第一ラウンド終了のゴングが鳴ります。
続く第二ラウンド、前回はこのラウンドで負けたことを知っている会場中は静まり返り、伊達陣営もナーバスになっていました。
リカルドはいきなり右の大砲を放ち、肩でフェイントを入れると、伊達はその重圧に早くもロープ際に追い詰められます。
リカルドの左をスリッピングアウェイでいなし、脱出しようとする伊達に対し、先回りで今度はコーナーへ追い詰めていくリカルド。
今度は頭部から一転、左ボディを押し付けるように放ち、激しい打ち合いとなります。
リカルドの拳が何度もボディや顔面にめり込み、伊達の顔が鮮血に染まりますが、氏線を乗り越えてきた伊達はリカルドの予想を覆し、第二ラウンドを乗り越えます。
勝負を決めにきたリカルドの猛攻に対し互角に渡り合った伊達に鷹村らも期待感を膨らませます。
しかし、「淡々とベルトを守る作業にも飽きた」とつぶやいたリカルドは、第三ラウンドに入ると突然ラフで暴力的なパンチを振るうファイトスタイルへと変貌します。
そのすべてが急所へと飛んでくるために、伊達はガードを外すことができず防戦一方となります。
両者ともに攻防一体の高等技術の応酬となりますが、リカルドとのあまりの実力差によって一方的に打たれ続ける伊達の姿に、暗雲が立ち込めていきます。
ここから第八ラウンドまで一方的に打たれ続けた伊達はボロボロになってしまいますが、この試合ボディを一度も打っていない伊達はハートブレイクショットを打つタイミングを計っていました。
迎えた第九ラウンド、右ストレートを入れたリカルドは体勢を崩し、ここでようやく伊達にチャンスが訪れます。
左で距離を測り、満を持してハートブレイクショットを放ち、勝負が決まったかのように見えました。
しかし、伊達の拳はリカルドのエルボーブロックによって阻まれ、右拳にヒビが入ってしまいます。
さらにアゴも砕かれ、アバラも折れてしまい、満身創痍の伊達は絶体絶命のピンチを迎えます。
ゴングが鳴り、ここで試合を棄権しようとする伊達陣営ですが、血だらけのマウスピースを持ってきた伊達の妻、愛子はなんと試合続行するよう支持をします。
愛子を見た伊達は大量の血を吐き、もう一度戦う決意を固めました。
一方、リカルドは「たとえエイジ・ダテの身に不幸な事故が起きようとも」全力で戦う決断をします。
迎えた第10ラウンド、右が来ないと考え左だけを見ているリカルドに対し、なんと伊達は骨折した右を放ちクリーンヒットを奪います。
「愛子にカッコいいところを見せたい」「それがオレがオレであること」
伊達はようやく本来の自分を取り戻しますが、リカルドのパンチによってアゴが完全に砕かれてしまいます。
「これ以上はマズい」「本当に不幸な事故が起きる」とリカルドは伊達にパンチを打つことをためらい、ここで一瞬の隙が生まれます。
左で距離を測った伊達は、ここでもう一度ハートブレイクショットを放ち、リカルドの心臓をえぐりました。
棒立ちのリカルドへ返しの左を放つ伊達。この瞬間、誰もがKO勝利を確信しました。
しかし、スピード・タイミング共に申し分なかったハートブレイクショットにはパワーが足りず、伊達の会心の左はスウェーでよけられてしまいました。
棒立ちの伊達の顔面にリカルドのコークスクリューブローがモロに入り、伊達は前のめりにダウンします。
レフェリーはカウントを取ることなく試合を止め、伊達のKO負けが決まりました。
【青木勝VS今江克孝(かつたか)】判定ドロー(単行本50~51巻)
青木は単行本50巻で日本ライト級タイトルマッチへ初挑戦しています。
青木は見た目の明るい性格とは裏腹に気が小さい一面があり、試合まで残り二週間の段階で減量し過ぎで痩せすぎたり、その後はリバウンドで劇太りするといった迷走を続けていました。
試合まで残り一週間となりようやく体調が戻った青木は、今江が雑誌インタビューで「カエル潰しに秘策あり」とコメントしているページを見てショックを受けます。
試合が近づくにつれ、青木はナーバスとなっている自分を元気づけようとする鴨川メンバーに対し、心配をかけ続けている情けなさを痛感していました。
しかし、青木はトミ子との会話で必〇技「よそ見」を開発し、タイトルマッチへ向けて自信を取り戻します。
いよいよタイトルマッチのポスターが貼りだされ、なんとチケットは完売しました。
一方そのころ、今江陣営は青木のカエルパンチやきりもみコークスクリュー、氏んだふりやダブルパンチといった必〇技の対策を練っていました。
青木の変則スタイルに不真面目な印象を持った今江はイラ立つ気持ちのまま計量日を迎えます。
「彼をボクサーだと認めていない」という今江に対し、青木は「何の準備もせずタイトルマッチに挑むと思ったか?」と不敵な笑みを浮かべます。
両者ともに険悪なムードのまま、周りのメディアは「研究家VS努力家」の構図として盛り上がりを魅せます。
試合当日、ガウンを着て集中力を高めた青木に対し、鴨川メンバー全員が激励し気合十分でリングへと向かいます。
試合開始のゴングが鳴ると、いつも通り変則スタイルで今江に仕掛ける青木。
しかし、今江はオーソドックスなファイティングポーズを崩さず自分のペースを一定に保ちます。
何とか今江をかき乱したい青木はいきなり右からパンチを放ちますが、これを読んでいた今江に迎撃されてしまいます。
左でリズムに乗った今江は、距離を測ってからの右の大砲を正確に撃ち抜き、まともにもらった青木は何とか踏みとどまります。
今江のワンツーのリズムを覚えた青木は、今度は右をかいくぐりカエルパンチを狙っていきます。
これを間一髪でかわした今江ですが、頬に残されたカエルの爪痕によって明らかに表情が強張り、警戒心を高めていきます。
生真面目に左を重ねる今江に対し、ここからまたも変則フットワークで翻弄する青木。
いったん距離を取る今江を追撃する青木は、タイミングを覚えたワンツーにまたもカエルパンチを合わせに行きます。
しかし、今江はずっと練習してきたカウンターでこれを迎撃し、第一ラウンドで早くも公約通りのダウンを奪いました。
ダウンから立ち上がってきた青木に対し、今江は序盤にダウンを奪った経験がなく、自分のパンチに自信が持てないことから、ここでもマイペースを保とうとします。
しかし、軽くはなった左ジャブが当たるとまたも青木はダウンし、立ち上がってくるも足が踊り腰が砕けた状態を見た今江は、ここでようやくKO勝利への欲が出てきます。
ロープ際に追い詰め、圧倒的な手数で追い込むも青木の鉄壁のガードでクリーンヒットは許さず、ここで第一ラウンド終了のゴングが鳴りました。
フラつく青木の様子を見た鴨川会長と八木は、いつでもタオルを投げ込める準備をしようと話し合います。
第二ラウンドもパンチをガードしただけでヨロける様子に、KOできると確信した今江は猛攻を仕掛けていきました。
連打にさらされて手を出さない青木の様子にレフェリーもストップしようとしますが、ギリギリのタイミングでパンチを出す青木。
この展開が第四ラウンドまで続き、一見今江のペースで試合が進んでいるように見えましたが、実はここまでに一度もクリーンヒットをもらっていない状況に、一歩たちは違和感を感じ始めていました。
コーナーポストに追い詰められ、今江の渾身のラッシュを受けた青木を見て八木がタオルを投入しますが、ギリギリでキャッチした篠田は「もう少しの辛抱です」と意味ありげな発言を残します。
今江も疲労で手が止まりかけますが、今にも膝から崩れ落ちそうな青木の様子を見ると力を振り絞りラッシュを仕掛けます。
ここでゴングが鳴り、KO勝利は次のラウンドへ持ち越しだと思った今江は、足取り軽くセコンドへと戻る青木の姿に驚愕します。
続く第五ラウンドでは、打ち合いに来るものと思われた青木は一転、ヒットアンドアウェイでフットワークを使い始めました。
正々堂々と打ち合いに来ない青木に怒りをあらわにした今江は襲い掛かりますが、青木の鮮やかなヒットアンドアウェイによって翻弄され続けます。
青木は氏んだふりによって今江の体力を削いだ後は、生き返ったふりをしながらこれまで消耗した体力の回復に努めていました。
第五ラウンド終盤に左だけでフラついた今江の様子に、ついに泥沼の底まで沈み込んだと見た青木は次のラウンドで勝負を賭けます。
第六ラウンド、倒しに行くと思われた青木は距離を取ったまま対峙します。
今江は基本通りの左で攻めると、これを払いのけた青木は距離を詰めて打ち合いに行くところで、突然止まってしまいます。
すると、ゆっくりと右へ視線を移し、今江が釣られたところにカエルパンチを炸裂させ、気づけばダウンを奪っていました。
立ち上がってくる今江に対し、勢いに乗った青木は襲い掛かりますが、よそ見の恐怖にとらわれる今江はクリンチでしのぎます。
わずかな隙間をついてアッパーでアゴを跳ね上げ、もう一度距離を取った青木は再びよそ見を発動し、カエルパンチを放ちます。
しかし、パンチがヒットする瞬間、グローブを挟み威力が軽減されていたため、今江は再び立ち上がります。
迎えた第七ラウンド、青木もタイトルマッチの重圧の中で体力は残り少なく、短期決戦を仕掛けます。
今江は自分を支え続けてくれたサチコを捨てた自分と、トミ子を守り続けてきた青木との器の差を痛感し、負けることを覚悟します。
そして、青木が「よそ見」を発動し最後の勝負に出ますが、今江の視線の先には客席で祈る様に試合を観ていたサチコの姿がありました。
サチコのおかげでよそ見に釣られなかった今江は、カエルパンチを出そうとする青木に気づいてしまいます。
カエルパンチが寸前で避けられ、宙に舞うタイミングで迎撃されてしまい、リングに叩きつけられそうになりますが、寸前でこらえます。
ここから開き直った両者はリング中央で激しい打ち合いを始め、気迫のぶつけ合い、精神力の勝負に入ります。
泥試合となり、大幅に失速しながらも打ち合いを続け、会場には迫力の無い打撃音が響き渡りますが、いつしか二人の顔は別人のように腫れあがっていました。
ダウンの応酬となったこの試合、両者決定打がないまま最終10ラウンドの幕が下ろされようとしたその時、今江の右がクリーンヒットし、青木はヒザから崩れ落ちます。
しかし青木はマットに触れる寸前、地上スレスレで踏ん張ると、渾身のカエルパンチを放ちます。
青木の拳は王者のアゴを捉えますが、すでに疲労でジャンプ力のない青木のパンチでは倒すことができず、ここで長かった氏闘の行方は判定へと委ねられました。
最後まで試合を捨てず王者の意地を見せた今江、曲者ぶりをいかんなく発揮し会場を沸かせた青木それぞれがスコアの集計結果をじっと待ちます。
判定は互いに1ポイントずつ奪取し、採点が割れ、残る一人の判定結果が発表されると、なんと試合はドローという結果に終わりました。
なお、青木の戦績や現在について、必〇技や名シーンをまとめた動画もアップしております。
概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひご視聴ください。
【幕の内一歩VSアルフレド・ゴンザレス】7ラウンドKO(単行本105~109巻)
一歩は世界前哨戦でアルフレド・ゴンザレスと対戦しました。
ゴンザレスは23戦21勝17KOとわずかに一歩の戦績より下回りますが、唯一の敗北はリカルド・マルチネスのみという世界ランク2位の強敵です。
試合が始まり、リング中央でグローブを合わせると、一歩はいつも通りのピーカブースタイルで頭を振り始めます。
対するゴンザレスは左でけん制しながら距離感を狂わせにくるハイレベルな駆け引きを仕掛け、一歩は愚直に体を振り続け的を散らし始めました。
ゴンザレスの左をかわし、いつもの懐に飛び込んでからのリバーブローを狙う一歩。
しかし、右手で払われるとカウンターを返され、一歩は左右に身体を振りながら応戦します。
一度距離を取り仕切り直すと、一歩は再び左右に頭を振りながら一気に懐へと飛び込んでいきます。
今度はフットワークを使い始めるゴンザレスですが、一歩は左を何度もかいくぐり捕まえに行きます。
もう少しでゴンザレスを捉えられると思われた矢先、突然軌道が変わる変則パンチにアゴを跳ね上げられ、一時前進が止まってしまいますが、過去の対戦相手「間柴のフリッカー」「真田の飛燕」を思い出し、軌道修正を図ります。
再び突っ込んでいく一歩ですが、またしてもアッパーをもらい懐に入れず苦戦しますが、鴨川会長と特訓した時の動きを思い出し、これもかわして懐へ入ります。
ようやく一歩のリバーブローがさく裂したかのように見えましたが、寸前でブロックするゴンザレスは、苦悶の表情を浮かべます。
第二ラウンドも、先ほどの勢いそのままに突っ込んでいく一歩に対し、ゴンザレスは迎撃態勢で迎え撃ちます。
一歩は、同じモーションからストレートとアッパーを織り交ぜてくるゴンザレスのコンビネーションに対し、ダッキングをやめて左右へヘッドスリップしながらパンチをかわし始めました。
しかし、この単調な試合展開に違和感を感じ始めた宮田は、右の大砲を放つための布石として左を見せているのではと予想していました。
一方、徐々に避けて打つタイミングが掴めてきた一歩はリズムに乗って豪打を振り回します。
リバーブローの空振りを見てロープ際に後退したゴンザレスに対し、ダッシュで距離を詰める一歩。
しかし、一歩が左へヘッドスリップするクセを見抜いていたゴンザレスは、左を捨てパンチとして右の大砲を直撃させると、後楽園ホールに鈍い音が響き渡りました。
後方へ吹き飛ばされた一歩はすぐさまグローブを叩き自身を鼓舞すると、パンチを当てたはずのゴンザレスは表情を曇らせ、顔を歪ませています。
会場中では、宮田だけがかつて一歩がカウンター封じで使った額でパンチを受け止める防御をしたことに気づきます。
ここからまた左でけん制するゴンザレスと懐へ飛び込む一歩との攻防が始まりました。
またもゴンザレスの右を額で受け止めると、一歩はもらいながらも強引へ懐へ飛び込み、ついにリバーブローがクリーンヒットします。
ここからインファイトで火の出るような激しい打ち合いとなった両者。
「自分のパンチが世界2位に通用する」第二ラウンド終了のゴングが鳴ると、一歩は手応えアリの表情でコーナーへと戻りました。
第三ラウンドに入ると、ゴンザレスは一転して足を使いアウトボクシングを選択します。
対する一歩は迷いなく体を振りパンチをよけて前へ前へと前進します。
一歩は、時折放たれるゴンザレスの右ストレートもヘッドスリップでかわせるようになり、もう少しで一歩の豪打が爆発する期待感が出てきていました。
ゴンザレスはなおも左の速射砲で対抗しますが、一歩はそれでも止まらず、被弾しながらも前進し続けます。
会場中のボルテージは最高潮に達し、一歩はワン・ツーにあわせて右へヘッドスリップしながらパンチを出そうとすると、ゴンザレスがこの試合初めて放つ左のロングフックをモロにテンプルにもらい、この試合初のダウンをします。
会場の大歓声はゴンザレスの一撃によってかき消され、レフェリーのカウントが入ります。
「ジャブ・アッパー・ストレート、真正面からくるパンチにしか頭にない状況でもらうフックは効いてしまう」と解説席の鷹村もゴンザレスの戦略を評価します。
カウント6で身体を起こした一歩は、カウント9ギリギリで体を起こし、続行をアピールします。
何とか試合続行となりますが、足が動かない一歩は会長の指示に従い、その場で拳を振り回し何とか第四ラウンドへ望みをつなげました。
第四ラウンドが始まると、一歩は見えない角度からのパンチをもらったショックから頭の中がグチャグチャになっていました。
しかし、いつでも前に出て戦い勝ってきた自分の経験に基づき、またも前に出る一歩ですが、ここからはゴンザレスの一方的な試合展開となり、ダメージがみるみる深まっていきます。
会場の大声援はむなしく響き、世界2位の前にただただ疲弊していく一歩を見ていた鴨川会長も、「突破口が見当たらない」と絶望の表情を浮かべます。
第五ラウンドが終わり、コーナーへ戻った一歩は「デンプシーロールの許可をください」と会長へ伝え、ここでついに封印を解くことになります。
左右へ旋回する一歩の様子を眺めていたゴンザレスは、なんと自分から無造作に近づいていき、ノーーガードで真正面に立ちます。
デンプシーのパンチに対し真っ向から殴りつけてくるミキストリモードのゴンザレス。
一歩の必〇技デンプシーに対し、ノーガードでフルスィングで迎え撃つ、身の毛もよだつ打ち合いへと突入します。
「キサマに世界を口にする資格はない」と怒りをあらわにするゴンザレスに対し、一歩はここでデンプシーをストップしタイミングをずらします。
ここで身体ごと衝突した両者は、まず一歩がスタンスを広げ打ち合う姿勢を見せると、なんとゴンザレスも応戦する構えを見せます。
一歩が優勢と思われたインファイトですが、ここでも一歩のパンチは当たらず、ゴンザレスの猛攻に打ち負けてしまう展開が続きます。
しかし一歩は、ここで練習してきたボディから相手のアゴをも刈り取る必〇ブローを放ち、ギリギリでガードされたもののゴンザレスのヒザが揺れ始めました。
一歩の右に対しカウンターを合わせにきたゴンザレスと正面衝突し、ここで初めて世界2位が崩れ落ちます。
立ち上がってきたゴンザレスへ猛ダッシュし勝負をかける一歩は、下から小さくしつこい連打を浴びせていきます。
ゴングが鳴り、コーナーへ戻った一歩を見た鴨川会長はもはや残されているものは少ないことを悟り、「終わらせて来い」と最後の指示を出します。
運命の第7ラウンド。
一方のゴンザレスもフルスウィングで勝負をかけ、その一発一発にガードしている一歩の足も揺れていました。
知性と狂気が融合し始めたゴンザレスは徐々にカウンターの精度を上げ、一歩の体が後方へ弾かれますが、がむしゃらに打って前へ出続けます。
ここでついに一歩の豪打が爆発し、ゴンザレスの首から上が吹き飛びます。
勝利を目の前にした一歩はゴンザレスに襲い掛かる一方で、セコンドの鴨川会長はまたもウォーリーとミゲルの姿を思い浮かべていました。
一歩の渾身の右に対し、カウンターを合わせにいくゴンザレス。
ゴンザレスの拳は先に届き、クリーンヒットをもらった一歩はその場で前のめりに倒れ、鴨川会長はカウントを待たずにリング上へ駆け寄りました。
ここで試合は終了し、一歩は伊達戦以来二度目の敗北を喫します。
【板垣学VS今井京介】1ラウンドKO(単行本105巻)
新人王戦以来二度目の対決となるタイトルマッチで、板垣と今井は再びリングで相まみえます。
試合前は誰もが板垣の勝利を予想していました。
しかし、ゴングが鳴るといきなり対角線上にダッシュした今井が開幕からいきなりダウンを奪う波乱の展開となります。
ダウンから立ち上がるも、ボディのダメージで足が動かない板垣はコーナーを背負ったまま戦うことになります。
襲い掛かってくる今井に対し、華麗なボディワークでパンチをかわし続ける板垣は、よけながらカウンターを合わせにいきます。
板垣のパンチでヒザを揺らす今井は、それでも頭をおしつけコーナーへはりつけ状態にすると、板垣のアッパーをもらいながらボディへ拳をめり込ませます。
相打ちとなり互いの口からマウスピースが吐き出され、今井のアゴがはね上がり、板垣の体はくの字に折れますが、それでもなお板垣は強気のノーガードで迎え撃ちます。
板垣のアッパーも入りますが、腰の入ったパンチが打てないために、ここから今井のボディ連打をスローで見続ける地獄の展開が続きました。
互いに無酸素状態で競り合う状況に限界を迎え、板垣がガードを下げて先に降参したかのように見えました。
しかしこれは板垣の罠で、上を狙ってきた今井のパンチにカウンターを合わせに行きます。
しかし、先に届いた今井の拳によって板垣は崩れ落ち、一歩から受け継いだベルトを巻く目標は叶いませんでした。
なお、天才板垣の現在の様子や戦績、必〇技等を解説した動画もアップしています。
概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひこちらもご視聴ください。
【幕の内一歩VSウォーリー】8ラウンドKO(単行本90~93巻)
一歩と対戦した時のウォーリーは17歳で、キャリアがたった3戦のみでインドネシア王者となった天才ボクサーです。
試合のゴングが鳴ると、ウォーリーはグローブを合わせずいきなり襲い掛かってきました。
ファイティングポーズが馴染んでおらず、確認しながら構えたウォーリーは圧倒的なハンドスピードで襲い掛かりますが、対する一歩は堅牢(けんろう)なブロックでノーダメージで切り抜けます。
今度は一歩から懐へ飛び込むと、左からリバーブローを振り切りガードごとウォーリーの体を吹き飛ばします。
バックステップするウォーリーをロープ際へ追い詰め、一歩の連打が始まりますが、突然の横っ飛びで逃げられてしまいます。
しかし、これにロングフックで追撃する一歩のパンチは、アゴギリギリをかすめており、ここでこの試合最初のダウンを奪います。
カウントぎりぎりで立ち上がるウォーリーに対し、一歩はコーナーを蹴り一直線に襲い掛かります。
ここでミゲルから「フリーダム」と指示を受けたウォーリーは、かつてホークが魅せた上体反らしからパンチを繰り出し、一歩のアゴをかすめます。
被弾が増えてきた一歩は、意に介さず打ち返しますが、ことごとく打ち返されてしまいます。
第二ラウンドも直線的な攻めで剛腕を振るう一歩は、リング中央では勝負にならないためコーナーへと追い詰める作戦に出ました。
ロープ際へ追い詰められたウォーリーは、低い態勢の一歩にスマッシュを放ちアゴを跳ね上げ、前進を止めます。
距離が空いたところで、今度は振り子のリズムからのフリッカーでけん制するウォーリーですが、一歩は高速ヘッドスリップで雨のような連打をかいくぐります。
続く第三ラウンド、パンチに対し向かって右側にジャンプをするクセを掴んだ一歩は、次のラウンドで赤コーナーに追い詰めると宣言します。
しかし、一歩が追い詰め空中にいたハズのウォーリーは突然姿を消し、後ろからパンチを浴びせられます。
もう一度ロープ際からコーナーポストへ追い詰めようとすると、ウォーリーはロープを掴み空中で止まり、方向転換していたことが発覚しました。
パニック状態となった一歩はパンチを振り回しますが、立体的に動き回るウォーリーに翻弄され続けます。
得意のインファイトでも一歩のパンチは当たらず、ウォーリーが一方的に殴り続ける展開になっていきました。
しかし、やみくもに振り回した一歩のパンチによってウォーリーが初めてコーナーを背負い、千載一遇のチャンスを迎えます。
ここから一歩の左右の連打が放たれますが、ロープワークでパンチをかわすと最後にカウンターを合わせ、あっさりとコーナーから脱出してしまいます。
もう一度コーナーへ追い詰めるも、またもカウンターをもらい絶体絶命となりますが、ゴングに救われました。
コーナーへ戻った一歩に対し、鴨川会長は相手の力量を認め、玉砕覚悟で相打ち狙いをするよう指示を出し、第四ラウンドで早くも背水の陣で挑むことになります。
腕の位置や足、体重移動のやり方を再確認した一歩は、フェイントを混じえた重厚なプレスでロープ際へと追い詰めていきます。
ここで負けても良い覚悟で試合に臨んでいたウォーリー陣営は作戦を変更し、足を止めリング中央で打ち合いへと誘います。
肉を切らせて骨を断つ覚悟で相打ち狙いを敢行する一歩ですが、完全に動きの見えているウォーリーはパンチを払いその手で受け返します。
力んでパンチが大振りになっていることを自覚した一歩は、ここからフォームをコンパクトにしパンチの軌道を最短距離に修正し始めます。
しかし、強固なブロックをこじ開けられてしまい、ウォーリーの連打にさらされる一歩。
意識が飛びかけながら、ウォーリーの懐に入った一歩は小さく鋭いボディをようやく当てますが、強烈なフックを返されたところで第四ラウンドが終了しました。
一歩はまず5回触るという目標を掲げますが、第五ラウンドが始まるとウォーリーは驚異的なダッシュ力で翻弄し始めます。
しかし、打ち合いにきた瞬間にボディが狙えると踏んだ一歩は、5回触るという目標を達成しますが、ついにダメージで身体が動かなくなりコーナーへと追い詰められます。
ウォーリーの猛攻に対し殻を閉ざして守る一歩ですが、ガードの隙間から入るパンチでグロッキー状態となり、ここで第五ラウンド終了のゴングが鳴ります。
コーナーでレフェリーから最後通告を受けた一歩に対し、ここから6回触ることを目標を与えた鴨川会長は、「あと一回でも倒れたら終わり」と覚悟を決めていました。
第六ラウンドもウォーリーに触ることはできますが、意に介さず反撃するウォーリーに有効打を放てず、為す術無しのピンチを迎えます。
目標達成した一歩はウォーリーへいきなりフルスウィングを放ち、ガードごとコーナーへ飛ばし、ここをチャンスと見た一歩は襲い掛かります。
しかし、またもコーナーから姿を消したウォーリーは、一歩が振り向いたところを打ち下ろしの右で撃墜し、コーナーへ叩きつけられてしまいます。
何とか踏みとどまり、ここから逆転狙いの全弾フルスウィングを狙いますが、バックステップでかわされてしまいます。
第六ラウンドが終わり、セコンドに戻った一歩に対し、鴨川会長は「当たれば倒れるパンチを振れ」と指示を出します。
ここから残りの体力と気力をかき集め、拳に全部込めて思い切り打つと決意した一歩は、「このラウンドが終わった時、もう立っているつもりもない」と覚悟を決めていました。
迎えた第七ラウンド、一歩は全弾フルスウィングで襲い掛かり、この姿に会場中が大声援に包まれます。
ウォーリーは横に回ってテンプルを狙おうとしますが、一歩が積み重ねてきたボディのダメージにより足が動かなくなってしまい、徐々にパンチをよけられなくなっていきます。
一歩のパンチをガードした腕がはね上がり、足も動かなくなったウォーリーは防戦一方となります。
ついに打ち合う選択をしたウォーリーですが、一歩の強打をガードし続けたことで心の余裕が奪われ判断が鈍り、何らかのミスを犯すことを予見した鴨川会長は、一歩へ勝負するよう指示を出します。
カウンターをもらいながらも下から突き上げた一歩のアッパーによって、片手でブロックしたウォーリーの体は宙を舞い、初めて大きなダメージを与えることに成功しました。
さらにグローブを突き破り、この試合初めてのクリーンヒットを奪った一歩は、さらに追っていきますがここで第七ラウンド終了のゴングが鳴ります。
セコンドに戻り、次の目標を聞かれた鴨川会長は「倒してこい」と指示を出すと、一歩は力強い返事を返します。
リング中央で互いに足が動かなくなった両者は激しい打ち合いを始め、ようやくインファイトで打ち勝てるようになった一歩は、ここで渾身のリバーブローを炸裂させます。
悶絶するウォーリーに対し、体に鞭を入れて追撃する一歩は、場内の期待を背に受けて前進します。
ここでウォーリーは自らバックステップでコーナーを背に、罠を仕掛けます。
対する一歩は、会長の方へ一瞬目をやると、ゆっくりと上体を振り始め、デンプシーの封印を解く決断をします。
ウォーリーのロープワークに対し、デンプシーによって一歩はスクリーンを張り逃げ場を無くし、ここで両者の動きが止まりました。
しかし、ここで一歩のリバーブローがさく裂し、悶絶のウォーリーは崩れ落ちますが、寸前で残します。
最期に放った一歩の右によってコーナーポストへ叩きつけられたウォーリーはその場に倒れこみ、ミゲルのタオル投入によって氏闘決着となりました。
なお、このように一撃でKOした名シーンが描写されている試合を解説した動画をアップしております。
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それでは、今回はこの辺で終わりたいと思います。
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それでは、今回はこの辺で終わりたいと思います。
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