”絶対勝たせろなんて言わねえ!だけどせめて、せめてアイツに悔いを残させない試合をやらせてくれ!!”
これは、青木が日本Jライト級タイトルマッチで間柴との対戦が決まった木村のためを思い、木村の武者修行に付き合っている宮田へ土下座をして叫んだ名シーンです。
ではなぜ、青木は後輩である宮田に頭を下げてまで木村に勝ってほしかったのか?
実は、過去の青木と木村の間には知られざるアツいドラマがあったからなんです。
木村は間柴との対戦が決まると、今までのように青木とスパーをしていても勝てないと悟り、当時唯一間柴のフリッカーを完璧に抑え込み善戦した経験のある宮田の元を訪ね、スパーの練習相手に名乗り出ます。
この時の宮田はちょうど東洋太平洋タイトルマッチを控えている大事な時期だったので、初めは断っていましたが、最後には根負けして木村との練習に付き合うことになります。
そして青木は、間柴の試合映像ビデオを宮田へ届けに行った際に木村の件で土下座をしました。
青木は、自分では同期で切磋琢磨してきた木村の力になりたくてもなれない現実、そしてもう一つ、木村はこの試合で負ければ引退を考えていると悟っていたからこそ、宮田にお願いしたのもあります。
しかし、青木にはもう一つ、どうしても木村に頑張ってもらいたい理由がありました。
その理由は、木村がドラゴンフィッシュブローを練習していた公園で、青木と一歩が不良連中に絡まれた時に明らかとなります。
プロデビュー当時、青木は体格がほぼ一緒の木村とどの階級を選ぶか話し合った際、木村があっさりとJライト級を選んだと言います。
当時はボクシングの知識がなかった青木は何とも思わなかったんですが、いざ試合が近くなり減量が始まると、それは想像以上の地獄の苦しみでした。
なので青木は、木村が試合をするたびに自分の倍苦労しているし、負けた時は自分の倍くやしいだろう…実は心の中で木村へこういった思いを持っていたのです。
木村と間柴の試合は「はじめの一歩」史上ベスト10に入る名勝負でしたが、試合前には青木と木村の感動の友情シーンもあったということをここでみなさんに知っておいて欲しいです。
コメント