【はじめの一歩】最強は誰!?衝撃の名試合ランキングを考察してみた②

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では今回も、はじめの一歩考察chやっていきたいと思います。

先週から引き続きまして、今回も「はじめの一歩」作中から衝撃を受けた名試合10選をランキング形式で解説していこうと思います。

スカっとするKOシーンのある試合をチョイスしていますので、ボクシング好きな方に楽しんで頂けたらと思います。

それではさっそくいきましょう。

10位.【ヴォルグ・ザンギエフVSマイク・エリオット】5ラウンドKO(単行本101~103巻)

 

わずか一週間の調整で挑んだタイトルマッチ

板垣からヴォルグの世界戦が決まった知らせを受けた一歩は、突然一週間後に決まったことに対し違和感を覚えました。

実は、ヴォルグの世界戦は元々戦うハズだった挑戦者が練習中のケガによりリタイアしてしまい、代役を探していたところでヴォルグに白羽の矢が立てられたんですね。

ヴォルグは渡米後、名を売るために並み居る強豪をなぎ倒し、3つの団体のランキング一位に上り詰めるも、王者たちから挑戦を避けられてしまう「無冠の帝王」という皮肉なニックネームがつけられていました。

干され続けていたヴォルグですが、この世界戦の話が来たときは「チャンスが舞い込んできた」とトレーナー浜団吉と共に即決しており、またも異国の地で孤独な戦いに向かうことになります。

試合開幕からダウン!ヴォルグのホワイトファング破れる

ヴォルグの世界戦は、開幕からなんとホワイトファングがいきなり破られるという波乱の展開となりました。

試合開始前、団吉は試合勘を取り戻す2ラウンドの間は様子見で行くよう指示を出しますが、気持ちを抑えきれないヴォルグはゴングと同時にマイクへ襲い掛かります。

ヴォルグはいきなり必〇のホワイトファングを放ちますが、マイクは下顎の牙をがっちりブロックし、上顎が閉じようとする前に切れ味鋭い左フックのカウンターを炸裂させました。

このカウンターで、ヴォルグはいきなりダウンしてしまいます。

ひどいヤジとブーイングの中でヴォルグは立ち上がりますが、ダメージが回復しないまま接近戦で激しい打ち合いが始まります。

劣勢となったヴォルグはもう一度ホワイトファングを放ちますが、上下どちらのパンチも完璧にブロックされてしまい、ロープ際でダウン寸前まで追い込まれていきます。

浜団吉の秘技「飛燕」炸裂!ダウン寸前から起氏回生の一手

手を出さないまま一方的に打たれるヴォルグを見てレフェリーが試合を止めようとしますが、ヴォルグが放った飛燕がマイクの額に軽くヒットし、第一ラウンドのゴングに救われました。

すでに血だらけの状態でしたが、日本で千堂と一歩と戦った経験があるからこそ耐えることができたヴォルグ。

団吉も足を懸命にマッサージをして念を送り、サポートします。

まだ足が動かないヴォルグですが、ここで浜団吉から受け継いだ「飛燕」を使ってマイクを射程外へと突き放します。

王者のKOラウンドと思われた大ピンチでしたが、飛燕を連発し第2ラウンドを乗り切りました。

試合勘が戻ったヴォルグは、第3ラウンドを迎えると視野が広くなり気持ちも落ち着き、ここでマイクのファイトスタイルを分析し始めます。

ヴォルグは引き続き飛燕を使いますが、軸足のクセを見抜いたマイクにモーションを盗まれ、かわされるようになってきます。

まるでチェスのような頭脳戦が続く最中、両者ともに全てのモーションにフェイントを入れたコンビネーションを放ち、予測・対応・攻略を繰り返す打ち合いが続きました。

性格・技術・クセ、十分な情報を得たヴォルグはボディをフェイントに相手のアッパーを誘い、そこへカウンターを合わせにいきます。

しかし、マイクはヴォルグの狙いを読みアッパーを止めて右ストレートを狙いにきました。

マイクの右をよけきれないと判断したヴォルグは、左フックをフルスウィングする勢いで身体を反転させ、ピンチを脱します。

再び左の差し合いが始まり、今度は飛燕を捨て駒にホワイトファングを上から放つ奇襲を仕掛けますが、これをも読んでいたマイクは第1ラウンドと同様に左フックを合わせにきました。

お互いの大砲に対し警戒心を高めているため、両者ともに寸前でガードし、ここからさらに深い心理戦が続きます。

ここで第3ラウンド終了のゴングが鳴り、セコンドに戻ったヴォルグは試合勘は完全に戻ったものの、準備期間が少なかったために体力の消耗が激しく、1度ダウンもしているこの状況では判定で負けることが予想されました。

ここで団吉から「二羽目の燕を解き放て」と指示を受けたヴォルグ。

第4ラウンドが始まると、一直線にマイクの懐へとダッシュしたヴォルグは、相手のスピードを〇すためにボディ狙いを敢行します。

しかし、ヴォルグの狙いが手に取る様に読めるマイクは、ボディをガードしつつヴォルグのガード越しに強打を浴びせ続けます。

第4ラウンド終了のゴングが鳴ると、ヴォルグにはチアノーゼ症状が見られ、血色を失い青黒くなっていました。

「ヤマトダマシイ」

日本で出会った幕の内一歩を形容するもっともふさわしい言葉をつぶやき、ヴォルグは最後の勝負に出ます。

勝負の第5ラウンド、勝利目前のヴォルグの目に映る衝撃の光景

体中に酸素をため込み、セコンドの団吉へ一瞬目をやると、恐ろしい形相でマイクに襲い掛かります。

ヴォルグは第4ラウンドまで左わき腹へひたすら攻撃を続け、下を意識させておいてから飛燕&ホワイトファングのコンビネーションを狙いにいきます。

しかし、以前からヴォルグとの対戦を熱望していたマイクはホワイトファングへの警戒心を緩めておらず、ここでもきれいにかわします。

スタミナ切れ寸前のヴォルグにとって最悪のボディブローをもらってしまい、マウスピースを吐き出したヴォルグは苦悶の表情を浮かべます。

しかし、顔を上げずなおもパンチを出し続けるヴォルグですが、ボディに無常の左拳がめり込み、そのたびにヴォルグの顔がゆがみます。

かつて、同じようなシチュエーションで一歩に打ち負けた経験をしているヴォルグは、希望を捨てず諦めずに手を出し続けました。

限界を迎えたヴォルグは、ここでついにガードをすり抜ける必〇技「燕返し」を放ち、マイクのガードをすり抜けていきます。

マイクは寸前でヴォルグのすがりついていた希望を止めますが、ヴォルグは一息つくその瞬間を見逃していませんでした。

ヴォルグは燕返しをも捨て駒に必〇のホワイトファングを炸裂させ、マイクは顔面からリングへ叩きつけられました。

ヴォルグがコーナーへ下がると団吉は勝利を確信し、日本で観戦している一歩たちも新王者誕生の瞬間を待ちます。

しかし、レフェリーの明らかなロングカウントによって10秒以上の時間が過ぎ、さらにヴォルグの目に衝撃の光景が映ります。

なんと、レフェリーは倒れているマイクを抱きかかえ、ファイティングポーズをとらせ始めたのです。

団吉の怒りの抗議もリングには届かず、意識を取り戻したマイクはグローブを上げ構えると、なんと試合続行となります。

一歩はテーブルを叩き割り怒りをあらわにしますが、ヴォルグは無言のままもう一度歩き出しました。

すでに身体は言うことを聞かず、思考が停止したヴォルグは、願望・渇望・欲望すべて本能に身を委ねた獣へと変貌します。

雄たけびと共になんとヴォルグはここでホワイトファングを連打で放ち、ガード越しに喰らい付きますが、パンチを返されてしまいます。

しかし、もう一度燕返しからのホワイトファングのコンビネーションをクリーンヒットさせ、左アッパーから右の相打ちによってロープまでよろけ、もたれかかるようにうなだれていました。

そのままリング中央を見つめた先で、マイクは再びダウンしており、不正を行ったレフェリーはカウントも取らず硬直していました。

裏でレフェリーを買収したマイク陣営のスタッフが抱き起すよう叫びますが、レフェリーが両手を交差し、ここで試合終了となりました。

いつも異国の地で逆境の中で戦い続けたヴォルグがついに、ここで世界王者の座を奪いました。

なお、2023年9月現在もヴォルグは防衛記録を伸ばし続けています。

9位.【間柴了VS沢村竜平】反則負け(単行本72~74巻)

最初のクリーンヒットはまさかの反則打!悪VS悪の戦い

間柴と沢村の一戦は、元は沢村が久美の顔に傷を付けた因縁から始まりました。

鷹村は実質的に一歩に勝利していた実力を持つ沢村の勝利を予想し、かつて間柴と氏闘を繰り広げた木村は人間離れした強さを持つ間柴の勝利を予想していました。

試合前日の計量日には、「オレはお前を墓場に送ってやる」と断固氏刑執行の決意を口にする間柴に対し、「同じことを考えていたよ」と沢村も不気味な表情を浮かべます。

試合当日、リング中央でようやく目を合わせた両者の迫力に、会場内は異様な雰囲気に包まれていました。

試合開始のゴングが鳴ると、ケンカ越しで飛び出していくと思われた両者でしたが、間柴はいつものヒットマンスタイルを構え、沢村は左手を前に振り子のリズムを刻み、迎撃態勢を取ります。

いきなり間柴のフリッカーが放たれると、これをかわしてボディから顔面へパンチを放り込む沢村。

互いに譲らずミドルレンジでハイレベルな攻防を繰り広げ、再びリング上でにらみ合います。

間柴はリング中央へ陣取り、フリッカーで切り刻もうとしますが、軌道を完全に読んでいる沢村は低い姿勢から距離を詰めてインファイトを仕掛ける作戦に出ます。

しかし、懐へ入ってくることを読んでいた間柴が、〇すつもりで振り下ろすチョッピングライトに対し、沢村も相手を壊すつもりで拳を振り上げていきます。

これも互いに直撃ならず、再び対峙すると今度は沢村からバレットで仕掛けますが、間柴もこの軌道を読んでかわし、互いにクリーンヒットが奪えないまま緊張感のある展開が続きました。

実力が拮抗する両者の様子に実況席ですら声を出せないまま、第一ラウンド終了のゴングが鳴ります。

続く第二ラウンドもライトクロスやスリッピングアウェイといった超高等技術のオンパレードが続き、互いに有効打がないまま終了しました。

玄人が唸る技術戦が続き、焦れた沢村が第三ラウンドでついに仕掛けます。

沢村は左を放つと、右へよけた間柴に対しなんとバックナックル(裏拳)によって初のクリーンヒットを奪います。

この反則に呼応するように、間柴もレフェリーから注意を受けている最中の沢村を殴りつけ、「最初からポイントで白黒つけようと思っていない」と怒りをあらわにした表情で睨みつけます。

ここでレフェリーの注意を一切無視した両者は、一気に激しい乱打戦へと展開していきます。

間柴のエルボーに対し沢村もバッティングで応戦し、両者ともに出血が目立ってきました。

沢村の貫通力のあるパンチをもらった間柴は、「この狂気を妹に向けた」怒りを増幅させると、ライトクロスを合わせ沢村をリングへ叩きつける派手なダウンを奪います。

しかし、カウンターのタイミングを熟知した沢村は、インパクトの瞬間後方に飛んでダメージを逃がしており、衝撃を半減させていました。

一方、チャンスと見た間柴はフリッカーでなぶり〇す準備を始めます。

しかし久美の一件で熱くなっている間柴のフリッカーは単調な振り子のリズムを刻んでいたために、徐々にかわすようになってきた沢村は鮮やかなライトクロスを浴びせました。

これを持ちこたえた間柴ですが、なんと沢村は左ヒザで顔面を蹴り上げ、ダウンを奪い返します。

間柴陣営は猛抗議しますが、事故と判断したためかレフェリーはカウントを取り始めました。

カウント8で立ち上がる間柴は明らかに意識が飛んでおり、間髪入れずに沢村が襲い掛かり万事休すと思われましたが、ここで第3ラウンド終了のゴングに救われます。

第4ラウンドも振り子の一定のリズムを刻み始めた間柴は、またも沢村のカウンターをもらいヒザをつきます。

しかし間柴はなんとカウントに入る前に立ち上がり、この様子を見ていた客席の鷹村は「意識がなく痛みも倒れたことも理解できていない」ことに気づきます。

激しい打ち合いとなりますが、力のない間柴のパンチに対し鋭いカウンターを入れた沢村は、連続でまたもダウンを奪います。

いたぶる暇もなく倒れる間柴にイラついた沢村は、座り込む間柴の顔を蹴ってしまい、「明らかに故意だ」と判断したレフェリーはここで減点を取りました。

しかし皮肉にも、このキックを受けたことで間柴は意識を取り戻し、見下ろしている沢村を見た怒りパワーを増幅させてダウンから立ち上がってきます。

間柴をロープ際へ追い詰めた沢村は上下のコンビネーションで丁寧な攻撃を仕掛け、鮮やかなカウンターによってついに間柴はクリンチで難を逃れます。

セコンドに戻った間柴は、ここで初めて沢村が自分の頭を蹴ったことを知り、さらに怒りの表情を色濃くしていきました。

思えば、このときから間柴の中で沢村の目を潰す反則行為で仕返しをしようとする構想が頭の中にあったのでしょう。

第5ラウンドを迎え、沢村のヒールっぷりに会場中が間柴コールで後押しする中、瀕氏の体にムチを入れて前に出ます。

間柴は沢村のカウンターをもらうと体へしがみつき、そのままもつれるように倒れこみました。

ここで間柴は、仰向け状態の沢村へ強烈な頭突きを左眼に当ててしまい、今度は間柴へ減点1とジャッジされます。

蹴りの仕返しと思われた間柴の頭突きですが、これは実は沢村の距離感を奪うための反則行為でした。

今まで何度も成立してきた沢村のカウンターはことごとく失敗し、間柴は距離を詰めにきた沢村の氏角から渾身のチョッピングライトを浴びせついにダウンを奪います。

頭から角を生やし、鬼の形相でコーナーポストに立つ間柴の様子に会場中は凍り付き、ここで勝負は決したと思われました。

しかし、コーナーで見下ろす間柴を見た沢村は、怒りの感情だけで立ち上がってきます。

距離感を失った沢村にできることはインファイトしかなく、ここへきて圧倒的に間柴有利の試合展開になると誰もが予想しました。

しかし何と、沢村は拳を振り切れるミドルレンジで足を止めると、相打ち狙いで勝負を仕掛けます。

激しい相打ち合戦が続き、炸裂音と共に血しぶきが舞う中、ここで第5ラウンド終了のゴングが鳴り、氏闘決着は第6ラウンドへ持ち越されました。

迎えた第6ラウンド、またもミドルレンジで執念の相打ち合戦が始まると、リング上に鈍い音が響き渡、両者の首がねじ曲がります。

しかし、リーチで勝る間柴の拳が先に届くようになり、アッパーをもらった沢村はロープまで飛ばされます。

ここで間柴は過去の〇意が充満していた頃の自分を取り戻し、悪魔のような表情でトドメを刺しに走ります。

ロープ際で倒れることすら許さず、一方的に殴り続ける間柴に対し、チカラこそ入っていないもののカウンターで反撃する沢村。

この両者のファイトに感化された観客は、再び大声援と地鳴りのような足踏みで大盛り上がりを魅せます。

ロープ際で打たれ続ける沢村の姿に、かつて同じように間柴に敗れた宮田の姿とダブると鷹村が口にし、一歩はもしあの時宮田が打てなかったカウンターが打てたとしたら、沢村の逆転勝ちとなる予想を立てていました。

ガードの隙間から間柴のショートアッパーでアゴを跳ね上げられた沢村は、ゆっくりと前のめりに倒れかけました。

ここで間柴がトドメのチョッピングライトを狙いにいきますが、これこそが沢村の狙いでした。

沢村が放った芸術的なライトクロスは間柴のアゴを正確に撃ち抜き、見事にダウンを奪います。

このシーンを観た猫田は「芸術だ」と全身を震わせ、鷹村は「もはや疑いようもなく、宮田を超える天賦の才」だと評価し、これで誰もが決着したと思いました。

しかし、コーナーへ下がるよう指示を受けた沢村もそのまま倒れこんでしまい、なんとダブルノックダウンとなります。

執念で立ち上がった両者に対し、レフェリーがファイティングポーズを取るよう指示をすると、間柴は先に構え、続いて沢村の腕がゆっくりと上がり始めました。

戦わせるべきか?止めるべきか?ジャッジに悩むレフェリーが沢村を見つめ、ここで会場中から試合再開を求めるコール、大歓声がリングへ降り注ぎます。

この声を聞いた間柴は「雑音が聞こえ始めた」とイライラを募らせ、その原因が沢村にあると判断し、試合再開の合図を待たずいきなり沢村を殴りつけました。

レフェリーの静止を振り払い、荒れ狂う間柴は一方的に沢村を殴り続け、一歩は客席の久美の目を覆います。

間柴のストレートを喰らい場外へと叩き出された沢村。観客席は静まり返り、ここでレフェリーが間柴の反則負けを宣告し、試合終了のゴングが打ち鳴らされました。

なお、名勝負を繰り広げた間柴了について、現在の様子や必〇技、戦績や名試合シーンなどを盛り込んだ動画をこちらにアップしております。

概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひこちらもご視聴ください。

8位.【幕の内一歩VSアントニオ・ゲバラ】4ラウンドKO(単行本118~120巻)

一歩VSゲバラ戦は、一歩がKO負けにより現役引退へ追い込まれた作中でも衝撃の名試合といえます。

一歩はすでにパンチドランカーの自覚症状を認知していながら、リングに上がるんですよね。

下馬評では格下のフィリピン王者を一歩が取りこぼすなど考えられないと予想されており、「新型デンプシーの犠牲者第一号」のかませ犬として見られていました。

しかし、試合が始まるとサウスポーに不慣れな一歩はゲバラの右ジャブに翻弄され続けます。

距離を取るゲバラに対し、一歩は鍛え上げたダッシュで一気に懐に入ると、飛び込み様身体ごとの右をみぞおちにめり込ませます。

さらに追い込み、今度は下からと見せかけて上を狙った一歩の拳がゲバラの顔面を捉え、開幕からいきなりダウンを奪いました。

しかし、直前でスウェーによってダメージを逃がしていたゲバラは立ち上がり、ここでいよいよ新型デンプシーへの期待感が高まっていきます。

一歩の剛腕による拳圧によってゲバラを一気にロープまで後退させ、右をかいくぐった一歩はついに新型デンプシーを発動します。

タテ・ヨコ・ナナメと縦横無尽に動き回り、フックとアッパーで攻められ続けたゲバラは倒れこみますが、スリップダウンとなってしまいます。

ちなみに宮田の分析によって新型デンプシーは軸足を交互に入れ替えながら発動することが分かっていますが、最近の一歩は仮想ロザリオを実践するためにサウスポーを習得し、ますますその強さに磨きがかかっています。

立ち上がるゲバラに対しまたも突っ込んでいく一歩ですが、距離感が狂っているために右ジャブを何度ももらってしまいます。

それでも懐に入ってくる一歩に対し、今度はクリンチでダメージ回復に努めるゲバラですが、得意のゼロ距離から放たれるリバーブローによってマウスピースを吐き出し、再びピンチを迎えます。

トドメを刺しにいった一歩ですが、ここで第1ラウンド終了のゴングが鳴りました。

セコンドに帰った一歩は会長への感謝の気持ちを噛みしめ、すでに以前の自分ではないことを自覚しながらも、二人で作り上げた新型デンプシーを見せるために第2ラウンドへ向かいます。

ゲバラは後ろ足に体重を乗せて右ジャブを連射し、とにかく一歩と距離を取る作戦に出ました。

今にして思えば、ここでゲバラがアウトボクシングを選択しなければ、距離感が狂っている一歩が敗北することもなかったでしょう。

ゲバラは強引に懐に入る一歩を突き飛ばし、このなりふり構わない姿に会場から一斉にブーイングが起こりますが、一歩はいまいちペースを掴めずにいました。

ガード越しにパンチを当ててゲバラが大出血するも、サウスポーの前に突き出した足によって突破できない一歩は新型を出せずに苦戦します。

激しい打ち合いの末、ようやくゲバラの前足の外側へ踏み込んだ一歩は、右を当ててから新型デンプシーを繰り出そうとしますが、発動する前にダウンしてしまいます。

しかし、距離感が狂っている一歩の強打は踏み込みが深すぎてダメージを与えられず、ゲバラが立ち上がったところで第2ラウンドが終了します。

「次のラウンドで倒してきます」

かつて伊達英二に敗北後、デンプシーを披露した再起戦で口にしたセリフをここでもう一度言い放ち、一歩は第3ラウンドへ向かいます。

ゲバラのパンチで意識が何度も飛ぶ一歩。

しかし会長の声によって意識を取り戻した一歩は、ダッキングしながら長い右ボディを浴びせ、さらに悶絶のリバーブローを突き上げます。

練習通り右からステップインする一歩ですが、ここでゲバラの右足に当たりスリップダウンの判定となります。

この時は、サウスポーに不慣れな一歩が偶然足を絡ませただけだと誰もが思っていました。

試合が再開し、ミドルレンジでパンチをもらってしまう一歩はクロスアームブロックで強引に懐へ入ると、ゲバラの渾身の右をかいくぐりついに新型デンプシーを発動しようとします。

ところが、わずかにかすめたゲバラの右フックにより、ダウン判定となりレフェリーのカウントが始まりました。

立ち上がった一歩は、新型デンプシーを失敗したことで我を忘れてフルスウィングで殴りかかり、ゲバラを一気にコーナーまで追い詰めます。

しかしゲバラにカウンターを返され、ここで第3ラウンド終了のゴングが鳴りました。

この時点で、一歩はダウンしたことやカウンターをもらったことも記憶が曖昧になっており、鴨川会長も少しずつ一歩の異変に気付き始めます。

デンプシーに拘る一歩は、またもクロスアームブロックで強引に突っ込みますが、ゲバラの左フックをモロにテンプルにもらい、この試合二度目のダウンを奪われました。

ダウンから立ち上がった一歩は、もはや自分に残された時間が少ないことを悟り、「コーナーへ強引に追い詰めて新型デンプシーを見せる」ことにだけこだわっていました。

再び剛腕を振るい、ゲバラをコーナーへと追い詰めていく一歩。

しかし、胸を開き急所丸出しのフルスウィングで戦う姿に、鴨川会長や宮田はすでに練習したことができなくなっている一歩の異変に気付き始めました。

ゲバラの右フックをダッキングでかわし、新型デンプシーを発動する体勢となった一歩。

しかし、先ほどと同じくわずかにカスめたパンチによって片膝をついた一歩は、なんとこの試合三度目のダウンを奪われてしまいます。

立ち上がってきた一歩ですが、すでに二度倒れて後がない状態で、残り1分40秒を耐え凌ぐ展開となりました。

すでに宮田や千堂、間柴らが「壊れている」ことを確信し、控室の鷹村は「スクラップにされる前に止めてやれ」と戦況を見つめます。

ここで会長はタオルを投げ込もうとしますが、なんとゲバラのストレートにカウンターを炸裂させ、ダウンを奪い返す展開となりました。

ゲバラも立ち上がり、三度試合再開されると、スイッチが入った一歩は練習した通りの動きを見せます。

相手の前足の外側にステップインすると、ボディから上へとパンチを直撃させ、もう一度ダウンを奪います。

第4ラウンド残り40秒、お互いにあと一回倒れたら試合終了となるサドンデスに突入していきます。

ここで会長の方に一瞬目をやる一歩。

何とも言えない表情を浮かべ、一直線にゲバラの懐へ猛ダッシュすると、前後左右逃げ場のないコーナーへと一気に追い詰めていきました。

ここで一歩の回想シーンが入り、実は試合前から「以前の自分とは違う」こと。

そして試合の最中、元に戻るかもしれないと一縷の望みにすがったものの、この先会長と世界を目指すことができないと悟るんですよね。

会長が使ってくれた時間が無駄ではなかったことを見せたいためだけに、新型デンプシーを発動するシーンがとても印象的でした。

一歩の放った左フックはやはり距離感が掴めておらず、ゲバラのカウンターをもらってしまいます。

なおも手を出し続ける一歩ですが、そのまま前のめりに倒れこんでしまい、3度目のダウンによって一歩の再起戦を勝利で飾ることはできませんでした。

なお、一歩引退後のセコンド編について解説した動画をアップしております。

概要欄にリンクを貼っておきますので、こちらもぜひご視聴ください。

7位.【鴨川源二VSラルフ・アンダーソン】7ラウンドKO(単行本45~46巻)

戦後間もない頃、鴨川源二は因縁の相手アンダーソンと一戦を交えています。

その因縁とは、ウエルター級のアンダーソンが明らかに体格で劣る浜や猫田を血祭りにあげたことです。

体格も実力も劣るアンダーソンに対抗するため、鴨川は土手で丸太を素手で叩き続け、鉄の拳を作り上げました。

試合開幕から、鴨川はいきなりあばら・内臓ごと一撃でえぐり取ろうと襲い掛かりますが、ギリギリでガードされてしまいます。

拳が腹に届くまで、何度でも叩き続ける覚悟で戦う鴨川ですが、圧倒的なボクシング技術の差を見せつけられ、何度も倒されてしまいます。

第7回を迎えた鴨川は判定勝ちの望みが消え、倒すしかないと覚悟を決めたところで、ボロボロの猫田が試合会場に現れると、「右をもらえ臆病者」と助言をします。

右を打ち下ろそうとするアンダーソンに対し、猫田の忠告通り目を見開いた鴨川は、ここで腹がガラ空きになっていることに気づきます。

右をモロにもらった鴨川ですが、ギリギリのところで踏みとどまり、拳を握りこみアンダーソンを誘い込みます。

腹にパンチを放つ鴨川ですが、先にアンダーソンの拳が届き、またもパンチをもらってしまった鴨川。

相手のパンチに恐怖したアンダーソンは拳を振り切ることができず、鴨川は踏みとどまることができました。

再び対峙する両者。アンダーソンは判定に逃げることはせず、真っ向から勝負を仕掛けます。

左で鴨川の突進を止めると、片腹を犠牲にする覚悟で渾身の右を繰り出しました。

右をもらった鴨川は意識をつなぎ止め、ここで鍛え上げた鉄の拳を直撃させると、アンダーソンのあばらは粉々に砕けてしまいます。

拳が砕け、折れた骨が皮膚を突き破った状態となった鴨川。

しかし、左拳が氏んでもなお、「まだ右拳が残っている」と鴨川は襲い掛かります。

体を「く」の字に曲げたアンダーソンはアゴを狙われると予測しクロスアームブロックで迎え撃とうとしますが、もう一度懐へ飛び込むと今度は右わき腹へ鉄拳をめり込ませ、第7回で初めて倒すことに成功します。

折れたあばらが内臓に突き刺さった状態のアンダーソンは痙攣を続けており、試合続行は不可能と判断したミゲル・ゼールは、鴨川の右腕を上げて日本の勝利を称えました。

6位.【幕の内一歩VS沢村竜平】7ラウンドKO(単行本53~55巻)

一歩と沢村との試合は、試合前にデンプシー破りを公言された上、久美の顔に傷を付けられた一歩は怒り心頭のままリングへと向かいました。

試合が始まると、どう料理しようかと品定めをする沢村に対し、一歩は肩を掴み前を向かせると間髪入れずに右を放ちます。

ここで一気にペースを掴むと思われましたが、足を引っかけて転倒させると、なんと立ち上がる前の一歩へ右を打ち下ろす暴挙に出ます。

開幕から早くも沢村へ減点1が宣告され、一歩の表情がさらに険しくなっていきます。

コーナーへと追い詰めた一歩は沢村のカウンターをかわし、得意のリバーブローを炸裂させます。

クリンチで脱しようとする沢村ですが、一歩得意のゼロ距離からのボディによって再びコーナーへ追い詰めると、ここで第1ラウンド終了のゴングが鳴ります。

続く第2ラウンド、左手を差し出し一変して紳士的な態度を見せる沢村ですが、手を差し出した一歩にパンチを浴びせようとします。

試合開始からずっと反則まがいのことを繰り返す沢村に怒りを増幅させた一歩は、今度はロープ際へ追い詰めると、ボディブローからペースを掴み連打で畳みかけます。

そして、一歩にしては珍しいライトクロスがクリーンヒットし、早くもダウンを奪います。

立ち上がる沢村には明らかにダメージが残っており、一歩は上下に打ち分けながら一気に攻め立てていきます。

ここで突然クリンチをした沢村は、そのままもつれ合って倒れこむと、自らグローブのテーピングを剥いで時間稼ぎを始めます。

ダメージ回復した沢村は、左手を前に突き出す本来の構えとなり、タテ揺れのリズムを刻み始めました。

沢村のバレットをもらい、ガード越しでも鼻血が噴き出るほどの威力に会場中の緊張感が高まります。

徐々に暗雲が立ち込める中、迎えた第3ラウンド。

バレットの連射によって近づけない一歩は、クロスアームブロックで強引に突進し右を放ちますが、沢村のカウンターによって迎撃されてしまいます。

ヒザが折れ崩れ落ちそうになりますが、吐き出したマウスピースが頭に当たると、意識を取り戻し、踏みとどまります。

愚直に前に出続け、パンチを繰り出しますが、完全にタイミングを掴んでいる沢村のカウンターが貫き、ダウン寸前となりますがここで第3ラウンド終了のゴングに救われました。

序盤で反則により怒らせた後は、理詰めによるボクシングを展開する沢村に対しパニック状態となった一歩でしたが、鴨川会長は頭突き一発と「拳は熱く、頭は冷ややかに」とたった一言で選手を落ち着かせます。

頭を振って左をよけてかいくぐり、単調となったリズムを変えて突然のアッパーを狙う一歩。

さらにリバーブローから顔面を狙っていきますが、またもカウンターを合わされ距離を取られます。

しかし、沢村のバレットをよけられるようになった一歩はリズムに乗り、振り子の勢いに乗ってフックを繰り出します。

さらに一歩は、ロープに追い詰めた沢村をはりつけ状態で左右から反動をつけた連打を浴びせ、徐々にデンプシーの軌道を描き始めました。

しかし、これこそが沢村の狙いで、デンプシーを発動したと見るや後ろに飛んで距離を開け、一歩の左フックに対し見事なカウンターを合わせます。

一歩の口からはマウスピースと鮮血が吹き出し、リング上をさまようように崩れ落ちていきますが、ロープを掴みダウンを拒否します。

完全なるデンプシー破りを敢行した沢村を見つめる一歩の目に光やチカラがなく、絶体絶命のピンチを迎えますが、ここで沢村は手を出さずまたも一歩を観察し始めます。

後に鷹村は、ここで余裕を見せずトドメを刺していれば沢村は一歩に勝っていたと分析しているんですが、この頃の沢村は勝敗よりも相手をいたぶることを最優先にしていたんですよね。

セコンドに戻ると「自分が負けたら日本中のボクサーがバカにされる」「負けちゃいけないんだ」とつぶやく一歩の姿に、鴨川会長は一歩の背負う大きな責任と断固たる決意を感じていました。

第5ラウンドが始まると、瀕氏の一歩をいたぶるようにバレットを連射する様子に、これまでの左はデンプシーを誘発するために意図的にスピードを抑えていたことが発覚します。

一歩の鮮血が飛び散ると同時に第5ラウンド終了のゴングが鳴り、その血を浴びた沢村は悪魔のような表情で舌なめずりをしています。

沢村のKOが期待された第6ラウンドが始まると、なんと一歩は破られたデンプシーを出し玉砕覚悟のアタックを敢行します。

そこへ今度は右の大砲によるカウンターが直撃し、致命打を受けた一歩の様子に会長はタオルを投げ込もうとしますが、それでも倒れずに踏みとどまります。

一歩は、ヴォルグとのスパーによってデンプシーをカウンターで破られる体験をしていたことと、途中で動きを止める新型デンプシーを実行していたことでダメージを最小限に抑え込んでいました。

しかし、一方的に打たれる危険な展開が続き、一歩の様子を見たレフェリーも試合をストップすべきか迷い始めていました。

しぶとい様子にイラつく沢村は背中へエルボーを落とし、またもブーイングを浴びながら試合を続けます。

絶体絶命と思われた一歩は、なんとここで三度目のデンプシーロールを発動し、沢村は渾身の閃光(みぎ)で息の根を止めようと動き出します。

しかし、一歩は動きを止めてカウンターをかわすと、パワーをため込んだ渾身の右を炸裂させ、鈍器で岩を砕いたような音が会場中に響き渡り、大逆転のダウンを奪いました。

レフェリーにしがみつきながら立ち上がった沢村。

その顔は鮮血に染まり不気味な笑みを浮かべ、試合続行をアピールします。

ここで第6ラウンドのゴングが鳴り、勝負の行方は第7ラウンドに持ち越されました。

勝利に対する怨念を身にまとう沢村に対し、一歩は試合後に自分の体がどうなろうとも、もう一度新型デンプシーを出す決意を固めて戦いに出ます。

第7ラウンドが始まると一気に形勢逆転し、一歩のリバーともの凄い拳圧に圧倒される沢村は反則によってペースを掴もうとしますが、極限まで集中している一歩はこれをかわし、KOパンチを浴びせました。

このパンチによってキレた沢村は無意識にカウンターを合わせながら反撃に出ると、一歩はついにデンプシーを発動します。

今度はタイミングを遅らせてくることを想定して沢村はカウンターを仕掛けますが、これを読んでいた一歩はパンチをかわし、もう一度デンプシーを繰り出します。

ここでさらに動きを止めた一歩に対し、パニックとなった沢村はまたも一歩の強打をカウンターで喰らい、氏に体のまま左右のフックをもらい続け、前のめりに土下座するように倒れこみました。

デンプシーロールの大爆発によってダウンをした沢村を見た一歩は勝利を確信しガッツポーズ。

同時にレフェリーが両手を交差し、逆転KO勝利を収めました。

なお、一歩を含む派手なKOシーンを集めた動画もアップしております。

概要欄にリンクを貼っておきますので、こちらもぜひご視聴ください。

5位.【宮田一郎VSランディー・ボーイJr】7ラウンドKO(単行本86~88巻)

宮田とランディーの試合は、開幕は遠巻きににらみ合う静かな立ち上がりからスタートしました。

すると、突然矢のような速さでランディーの目の前に出現した宮田。

アセったランディーはパンチを振り回しますが、圧倒的なスピード差を見せつけた宮田のカウンターが決まります。

ハイスピードでパンチを繰り出す宮田に対抗し、ランディーもギアを入れ替えて捕まえにいきコーナーへと追い詰めると、千堂のように両手を広げたままジリジリと距離を詰めていきます。

ランディーのラッシュが始まると、宮田はさらにギアを上げてカウンターを合わせ、あっという間にコーナーから脱出します。

リング中央で威嚇のようなステップ音で打ち合いへと誘う宮田。

パンチ力で劣る宮田は距離を取ると沢村は予想していましたが、宮田はなんと距離を詰めてインファイトで圧倒します。

カウンターの連打で圧倒的な強さを見せつけた宮田のポイントリードで第1ラウンドが終了します。

第2ラウンドも鮮やかなカウンターを決めた宮田は、意識外から打つ見えないパンチを体現しようと狙っていました。

ランディーのスピードが上がり際どいシーンが増えますが、しかしこれは宮田が意図的にスピードを落とし大振りを誘う罠でした。

突然ランディーの視界から消えた宮田は的確にジョーを打ち抜き、まるで活け造りの魚のように二度三度と拳を突き出しながらダウンします。

芸術的なカウンターを魅せた宮田に対し、否定的に見ていた沢村もその実力を認め始めました。

しかし、立ち上がってきたランディーに対し、宮田は体ごと叩きつける必〇のジョルトを狙っていきます。

ランディーの渾身の一振りに対し、宮田も渾身の一振りで迎え撃ったカウンターと激しい正面衝突となり、決定的な一打となりました。

しかし、ランディーは意識が飛んでいるものの倒れずに持ちこたえ、フォローの左を放つ宮田。

しかし、パンチをもらう前から左へスウィッチしていたランディーの前足にひっかけてしまい、両者もつれるように倒れこみます。

両者立ち上がり、試合が再開されますがここで第2ラウンド終了のゴングが鳴りました。

第3ラウンドもサウスポーで迎え撃つランディーに対し、回復する前に勝負をつけたい宮田はダッシュします。

宮田は右ストレートから入り左へ旋回し、そこから左フックの連打を浴びせる完璧なサウスポー対策を体現しますが、何度もスウィッチを繰り返すランディーの攻撃に少しずつリズムが狂い始めます。

連続のスウィッチを繰り返すランディーのパンチがクリーンヒットし、宮田は一度に何人もの相手と戦っている錯覚に陥り始めました。

パンチの出どころが掴めず、カウンターを封じられた宮田は、ここから最大最速、全戦力をもってランディーに襲い掛かります。

宮田のマックススピードによってコーナーで棒立ちで打たれ続けるランディーを見て、レフェリーが試合を止めようと動いたところで第3ラウンドが終了しました。

続く第4ラウンドもスピード地獄で攻め立てる宮田ですが、頭部を狙うストレートパンチャーである特徴を知っていたランディーは、上のガードを固めながらダメージの回復を図っていました。

ダメージが回復したランディーはガードを解き、一方の宮田はスピード地獄の代償としてスタミナ切れを起こしかけていました。

強気に攻め続ける宮田ですが、徐々にスピードは落ち始め、ランディーはガードだけでしのいでいたさっきまでと違い、腕を伸ばし前でさばくようになります。

試合前に千堂が体現したように、直線系のパンチしかない宮田のパンチをヘッドスリップでかわし始めたランディーは、ついに宮田の脇腹に強烈なボディを突き刺します。

減量苦のハンデがある宮田にとって最悪のボディをもらい続けますが、なんとこのボディにカウンターを合わせる高等技術で応戦します。

宮田はスウィッチを繰り返すランディーにカウンターを封じられたため、スピード地獄を仕掛け相手にボディを打たせるように仕向け、そこへカウンターを合わせるという捨て身の作戦を仕掛けます。

さらに、宮田は左と見せかけて上から打ち下ろすライトクロスを炸裂させ、これで勝敗が決したと誰もが思いました。

しかし、この時すでにランディーのボディブローによってあばらが折れていた宮田の右に威力がなく、ダウンを奪えないままゴングが鳴りました。

続く第5ラウンド、もう一度右のカウンターを狙いにいった宮田ですが、あばらの痛みによってカウンターは失敗し、またも折れたあばらにパンチをもらってしまいます。

ここで宮田のあばらが折れていることを確信したランディーは、4連続でボディブローをめり込ませ、そのすべてでカウンターを失敗してしまった宮田は苦悶の表情を浮かべます。

またもスウィッチを繰り返し追い詰めるランディーに対し、ついにガス欠となった宮田はスウェーやスリッピングだけでいなしはじめます。

コーナーポストへ追い詰められても強気に撃ち返す宮田ですが、わずかにアゴをカスったパンチによってその場に崩れ落ち、ついにダウンしてしまいます。

宮田が立ち上がったところで第5ラウンドが終了し、あばらが折れスタミナも尽きた宮田は、第6ラウンドが始まるとガードを上げ、残り2~3度しかないチャンスに賭けます。

しかし、スウィッチを繰り返しパンチが読めない宮田は棒立ちでメッタ打ちとなり、強烈な右ストレートをもらうと力尽きたようにその場に座り込んでしまいました。

天を仰ぎ立ち上がる宮田。

もう希望も残されていない中でも、宮田は満身創痍の体にムチを打って拳を振り回します。

プライドをかなぐり捨てて戦う宮田の崩壊したボクシングに対し、悲壮感が漂い始める会場内は静まり返っていました。

ランディーのスウェーによって宮田の拳は空を切り、のけぞった体勢から繰り出す左を何度も喰らう宮田。

第6ラウンドが終わり、這いつくばる様にコーナーへ戻る息子を見つめる宮田の父は、レフェリーから棄権するかと問われるとこれを拒否します。

迎えた第7ラウンド、同じように上へと拳を振り上げる宮田に対し、スウェーでよけながら左を返すランディー。

何度も繰り返し左をもらった宮田は、ここで初めて自分のパンチに対して必ず左で返してくるランディーのクセに気づきます。

暗闇の中に一筋の光明を見た宮田は、ランディーの左をもらう直前で自ら後方へ飛びダメージを逃がし、試合終了のコールをしようとしたレフェリーを押しのけて打ち合いへと誘います。

宮田は父親から受け継いだ左を空けるフェイントによってランディーを誘い込み、踏み込んだと同時に強烈なクロスカウンターを炸裂させ、見事ダウンを奪いました。

会場は一気に興奮のるつぼとなり、大観衆総立ちの大盛り上がりとなります。

これで試合が終わったと思われましたが、まさに阿修羅の形相で立ち上がってきたランディーに対し、宮田もお互いに合図をしたように同時に前へ出ます。

互いに同時にパンチを放ち、あばらの折れた宮田のパンチは遅く届かないハズでした。

しかし諦めない宮田は肩とヒジを入れ距離を伸ばし、さらに掌が天井を向くほどひねった回転力によって生み出された光速のナックルを炸裂させ、再びランディーをリングへと沈めました。

うつぶせで倒れたまま痙攣するランディーを見たレフェリーは両手を交差し、ついに試合終了となりました。

なお、宮田一郎の戦績や特徴、必〇技や名試合などをまとめた動画もアップしております。

概要欄にリンクを貼っておきますので、こちらもぜひご視聴ください。

4位.【リカルド・マルチネスVSウォーリー】6ラウンドKO(単行本137~138巻)

リカルドVSウォーリーの試合は、ゴングが鳴るとウォーリーがいきなりリング上を縦横無尽に走り回る奇想天外なスタートとなりました。

そして、リカルドの目の前を追い越しざまロングスウィングを放ったウォーリーの拳はリカルドの顔面を捉え、開幕から場内は騒然となります。

続いてリング上からウォーリーの姿を見失ったリカルドは、レフェリーの裏から突如放たれたストレートをかわし、両腕を高く上げ堅牢な構えを選択します。

対するウォーリーは、かつて井上尚弥選手がバトラー戦で魅せたノーガードによる挑発をし始めました。

リング上を旋回しながら立体的に襲い掛かるウォーリーが、ポイントリードしたまま第1ラウンドが終わります。

まさに未知の体験をしているリカルドは第2ラウンドもガードを上げて観察を続け、ウォーリーはスピードでかく乱していきます。

何度かボディへパンチをもらい、リカルドがアジャストできないまま第2ラウンドのゴングが鳴ります。

続く第3ラウンドも手を出さずにガードを固めるリカルドは、ウォーリーのパンチがすべて自分の眼球を狙ってきていることに気づいていました。

そこでリカルドはウォーリーのボディにカウンターを狙っていきますが、逆にカウンターをもらいそうになったところで第3ラウンドが終了します。

ポイントリードされ続けて第4ラウンドを迎えたリカルドは、このままノーダメージで好きにさせると挽回が難しいと判断し、無理にでもウォーリーのテリトリーへ踏み込まなければならない状況になりました。

ついに本気で打ち合いにきたリカルドに対し、瞬間的にではありますが真正面から撃ち合って前進を止めたウォーリーは、このラウンドもポイントを奪います。

序盤4ラウンドを制したウォーリーに対し、もうKO勝利を狙うしかなくなったリカルドは基本の左を丁寧に撃ち重ねていきました。

対するウォーリーが完全に主導権を掌握していましたが、ここでリカルドの左が初めてクリーンヒットします。

ウォーリーもラッシュで応戦しますが、徐々にリカルドの左が連続で当たるようになり、コーナーへと追い詰められたウォーリーはワンツーをもらいついにダウンします。

立ち上がったウォーリーの出口を塞ぐように立ちはだかるリカルド。

ウォーリーは得意のコーナーワークで脱出を図りますが、リカルドは左とフェイントだけで追い詰めると、最速のウォーリーに対し最短の拳を放ちまたも顔面を捉えます。

ウォーリーは、リカルドのボディをもらいながらもスマッシュで反撃したところで、第5ラウンドが終了します。

迎えた第6ラウンド。

劣勢のハズのウォーリーはなんとリング中央で四股を踏むようなアクションを魅せると、リカルドと正面から打ち合おうとアピールします。

激しい打ち合いが始まり、リカルドの左がウォーリーを捉え、ペースを握ると思われた矢先、なんとライトクロスによる相打ちが起こり、両者たたらを踏んで後退します。

再び激しい打ち合いとなり、リカルドはリバーブローから左ストレートを放ち、ウォーリーの顔面で止めるとブラインド状態を作り上げ、フォローの右でまたもダウンを奪います。

カウントを待たずに立ち上がったウォーリーは、ダウンを奪い返すかのような強打をぶつけ、ひたすらパンチを打ちこみ続けてついにリカルドをリング中央から後退させました。

ここでウォーリーは突如スマッシュを連発し始めますが、この場面こそ後にリカルドへ挑戦する千堂へのメッセージだったのではないかと推測されます。

ウォーリーのスマッシュをかわし、悪魔のような笑みを浮かべるリカルドは、右を打ち下ろしクリーンヒットします。

それでも諦めずスマッシュを放つウォーリー。

リカルドはもう一度右を打ち下ろし、このパンチでダウンしたウォーリーは事切れるように倒れこみ、レフェリーにより試合終了となりました。

なお、この後リカルドへ挑戦する千堂について、戦績や特徴、必〇技や名試合をまとめた動画もアップしております。

概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひこちらもご覧ください。

3位.【木村達也VS間柴了】9ラウンドTKO(単行本32巻)

木村の初のタイトルマッチ、間柴との一戦は引退を賭けた一大決戦となりました。

立ち上がりからインファイトを仕掛け、隙あらばドラゴンフィッシュブローを叩きこむ作戦で挑む木村に対し、独特のヒットマンスタイルで待ち構える間柴。

かつて間柴と対戦した一歩と同じように頭を振って的を散らしていきますが、早くもロープ際に追い詰められた木村は間柴の必勝パターンにハマってしまいます。

セコンドの青木が足を使うよう声を張り上げますが、あくまでも懐に入ろうとする木村の顔は早くも腫れあがり、またもロープ際で火ダルマとなってしまいます。

一方的な展開で第1ラウンドのゴングが鳴ると、3分間よく粘ったと声を掛ける間柴に対し、木村は「これまで5年も粘ってきたんだ」とベルトに対する執念をあらわにしました。

第2ラウンドも開始早々フリッカーを連発する間柴。

この当時の間柴は、今と違って遠くからフリッカーでいたぶる戦い方を好んでいますね。

ここから第6ラウンドまで一方的にフリッカーで痛めつけられた木村の顔は別人のようにハレ上がり、ついにこの試合初のダウンとなります。

カウント8ギリギリで木村が立ち上がったところで、第6ラウンドが終了しました。

迎えた第7ラウンドも一方的に殴られ続けた木村ですが、フリッカーを連発し続けた間柴の疲労もあってようやく懐へと飛び込むことができるようになります。

間柴のフリッカーをかいくぐると同時に大きく踏み込みボディを狙うと、これまで猛特訓してきたリバーブローが間柴に深々と突き刺さります。

ひたすらボディの連打を浴びせ、間柴のガードが少しずつ下がり、木村のドラゴンフィッシュブローを狙う絶好のチャンスが訪れようとしていました。

しかしここで第7ラウンド終了のゴングが鳴り、5年間の集大成であるドラゴンフィッシュブローを打ち込むだけとなった木村は、勝負の第8ラウンドを迎えます。

懐に飛び込んでいった木村のアゴをはね上げる間柴ですが、追撃のフリッカーをかいくぐりまたも左ボディを狙います。

これまでの完璧な伏線を回収する、木村のドラゴンフィッシュブローは間柴の弱点であるアゴを見事にとらえ、この試合初のダウンとなります。

間柴は立ち上がるも足元がおぼつかず、試合続行すべきかどうか微妙なラインでした。

会場中が緊張感に包まれる中、レフェリーの合図とともに試合が再開されます。

間柴は何のパンチをもらったのか分からず、パニックになりながらも上のガードを固めますが、木村の左ボディが深々と突き刺さります。

木村のしつこいボディ連打を嫌がり、思わずガードを下げた間柴に対し、二度目のドラゴンフィッシュブローを放ちます。

これも間柴の顔面を捉えますが、インパクトの瞬間アゴを引いてダメージを〇した間柴はクリンチでピンチを逃れます。

もう一度懐に入った木村は徹底したボディの連打を浴びせ、間柴がたまらずガードを下げたところを右で狙い撃ちます。

しかし、間柴は勝利への執念でパンチをもらいながら抱きついてしのぎ、ここでゴングに救われました。

迎えた運命の第9ラウンド。

すでになりふり構っていられなくなった間柴は右の大砲を存分に使い始め、チカラで木村の突進を無理やり止めにいきます。

チョッピングライトから無理やり立たせるようにアッパーではね上げると、激しい連打にさらされる木村ですが、打ち返された間柴が後方へと弾かれてしまいます。

ドラゴンフィッシュによるダメージが抜けていない間柴は少しずつロープ際に追い詰められ、たまらずクリンチで難を逃れようとしますが、これを読んでいた木村がここでボディへ集中砲火させます。

トドメのドラゴンフィッシュブローを放つ木村に対し、勝利への執念から右ストレートを返す間柴。

木村の勝利が決まったと思われた瞬間、先に拳が届いた間柴の拳によって目の前が真っ暗になった木村は、血だらけのまま崩れ落ちます。

右の大砲同士のカウンターをもらった木村を限界と見た篠田はタオルを投げ込もうとしますが、なんと木村は立ち上がり、意識を失ったままファイティングポーズをとります。

その様子を見ていた間柴は恐怖のあまりパニック状態となり、一直線に突っ込んでいきます。

オープンガードで殴りつけてくる間柴に対し、最後の一撃を放とうとする木村。

カウンターが成立すれば逆転勝利となっていた場面ですが、ここで木村の意識がないことに気づいたレフェリーが間柴を止め、ここで両手を交差し氏闘の幕が下ろされました。

なお、ついにJライト級世界タイトルマッチへ挑戦する間柴の現在の様子について、もっと詳しく知りたい方はこちらの動画もぜひご視聴ください。

概要欄にリンクを貼っておきます。

2位.【幕の内一歩VS千堂武士】7ラウンドKO(単行本29~30巻)

日本フェザー級タイトルマッチで対戦した一歩と千堂は、作中でも歴史に残る名勝負を繰り広げています。

試合前の千堂は、かつて一度負けている一歩に対して明らかに気負いすぎている様子でした。

試合が始まると、一歩は開幕からいきなりデンプシーロールを発動し、嵐のような連打を浴びせます。

千堂はこれを振り払うように左を放ちますが、ガードするだけで手いっぱいとなったところで左フックをモロにもらい、開始からわずか14秒でいきなりダウンしてしまいます。

ダウンから立ち上がった千堂にダメージがあると判断した一歩は、再びデンプシーで一気に勝負を決めにいきます。

振り子の反動で強烈な左右のフックをもらった千堂は再びダウンしそうになりますが、ロープを掴み一歩を睨みつけると、渾身の右ストレートを放ちます。

一歩のガードの隙間から鮮血が飛び散り、試合開始からわずか30秒で両者の顔が真っ赤に染まる波乱の幕開けとなりました。

もう一度デンプシーで勝負をかける一歩に対し、茂田戦で魅せたダッシュ力で一気に距離を詰めた千堂は猛攻をかけていきます。

ここから互いにリング中央で足を広げ、力と力のぶつかり合いとなった両者のパンチが交互に入る激戦となります。

互角の打ち合いが続く中、ここで第1ラウンドのゴングが鳴ります。

過激な声援が飛び交う中、第2ラウンドもリング中央で再び火の出るような打ち合いが始まりました。

しかし、第1ラウンドと違い徐々に均衡が崩れ、骨格で勝る千堂のパワーに押された一歩が後退し始めました。

ガードする場面が増えた一歩に対し、千堂はガードの上から構わず剛腕を振るい、一気にコーナーまで押し込んでしまいました。

追い詰めた千堂はさらにガードの上からお構いなしにパンチを叩き続け、一歩は初めて「パンチに潰される」恐怖に襲われます。

第2ラウンド終了のゴングに救われた一歩でしたが、千堂の恐怖から立ち直れないまま第3ラウンドを迎え、またも千堂の連打に圧倒されます。

気迫で押される一歩は、千堂の〇気を込めたフェイントにも翻弄され始め、なんと自らコーナーに下がってしまいます。

再び千堂の強打にさらされる一歩は一度は諦めようとしますが、千堂が与える”恐怖”に唯一対抗できる”勇気”を振り絞ることによって、見えないパンチを放ち千堂を後退させます。

第3ラウンドが終了し、観客席のハチの声を聞いてこれまで合宿で練習してきたことを思い出した一歩。

第4ラウンドが始まると、一歩は千堂の繰り出すフェイントごとよけるつもりで頭を振り的を散らし始めました。

打ち合いが始まると、千堂のパワーに対し手数で圧倒し始めた一歩は体格差をはね返し、パンチをもらった千堂が後退します。

しかし、ここで退いたように見えた千堂はサウスポーにスウィッチすると、なんとヴォルグをダウンさせた右のスマッシュを炸裂させ、ガードした一歩の体ごと吹き飛ばします。

一気にコーナーへ追い詰め、怒涛のラッシュでトドメを刺しにいった千堂が勝利を確信した瞬間、腰を落としたところから放った一歩のガゼルパンチによってこの試合二度目のダウンを取られます。

カウント9ギリギリで立ち上がった千堂の足元はおぼつかず、ここで一歩はデンプシーで意識を刈り取りにいきますが、第4ラウンドが終了しました。

第5ラウンドを迎え、一歩のパンチが入り千堂の顔面が鮮血に染まると、血をみてキレた千堂がクロスカウンターを合わせます。

コーナーポストに追い詰められた一歩は手を出し続けるも、強烈なアッパーをもらいその場に倒れこむようにダウンします。

千堂は、ここでようやく二度の試合を通じて一歩を初めて倒し、攻めながら倒しきれないという図式をようやく断ち切ることができました。

カウント7でコーナーにもたれながら立ち上がるも、見るからに重いダメージが見て取れる一歩。

襲い掛かってきた千堂に対し、ワンツーで応戦するもまたカウンターを返されてしまい、二度目のダウンをしてしまいます。

これで試合終了かと思われましたが、伊達戦で味わった悔しさを二度と繰り返さないと誓った一歩は、決定的と思われたダウンから再度立ち上がります。

瀕氏となった一歩に対し、さらに激しいラッシュで攻め立てる千堂は得意のスマッシュで試合を決めにいきますが、これをかいくぐった一歩の強烈なリバーブローが脇腹に突き刺さります。

単発ながら一歩のリバーブローによってあばらが完全に折れた千堂の勢いは失速し、ここで第5ラウンド終了のゴングが鳴ります。

第6ラウンドが始まり、リング中央でまたも激しい打ち合いとなった両者にアツくなった観客は激しく足踏みを鳴らし始め、場内が揺れるほどのララパルーザ(地鳴り)が起こります。

互いが互いの限界を高め合い限界を突破する「ミックスアップ」状態となった一歩と千堂は試合前より明らかに強くなっており、両陣営も最後までタオルを投入しない覚悟を固めていました。

第6ラウンドが終了し、もはや精神力の勝負となった両雄はインターバルで座らず、次のラウンドで勝負をかける決意を固めていました。

第7ラウンドが始まると、千堂はクロスアームブロックで防御を固めたまま前に出る一方で、一撃で相手の喉笛をかき切るパワーを溜め込んでいました。

一歩は千堂に止められる覚悟でデンプシーを発動しパンチを繰り出しますが、やはり出端を潰されてしまいます。

対する千堂は溜めたパワーを開放し、渾身のスマッシュを狙い撃ちますが、なんと一歩の左もボディへ突き刺さっていました。

マウスピースを吐き出し悶絶する千堂に追い打ちをかける右ストレートがジャストミートし、畳みかける一歩。

しかし、まだ目が生きている千堂は右のスマッシュを放ちますが、これをかいくぐった一歩は強烈なリバーブローを炸裂させると、千堂のあばらは完全に粉砕骨折します。

さらに、一歩は目のフェイントによって千堂にガードさせたところで、下からガゼルパンチをクリーンヒットさせると、ついに千堂を後退させることに成功しました。

ここで必〇のデンプシーを発動し、嵐のような連打で千堂からダウンを奪います。

これで決着がついたと思われた矢先、なんと千堂はロープにもたれかかりながら立ち上がると、最後に自分に勝った男の顔を見届けながら二人の氏闘にピリオドが打たれました。

なお、千堂や一歩が一撃で派手なKOを魅せる名試合にフォーカスした動画もアップしております。

概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひご視聴ください。

1位.【鷹村守VSブライアン・ホーク】8ラウンドKO(単行本43~44巻)

鷹村にとって初の世界戦となったホークとの一戦は、上体反らしと変則パンチで攻めてくる展開に序盤から苦戦を強いられることになります。

パンチの出どころが掴めない鷹村はホークのパンチをモロにもらい続け、コーナーポストで意識を失いかけますが、間一髪でとどめの一撃をかわします。

客席からコーナーから脱出しろと声が上がると、意地でそのまま戦い続けた鷹村は、巧みな上下のコンビネーションによって一時はペースを掴みかけます。

しかし、やはりホークの変則パンチに翻弄され、コーナーでまたも絶体絶命のピンチを迎えます。

飛んでいた意識が戻った鷹村が目を開けると、あざ笑うように挑発するホークの姿が目に映りいきり立ちますが、ここでようやく第1ラウンドのゴングが鳴っていたことに気づきます。

第2ラウンドが始まり鴨川会長の精神注入張り手をもらった鷹村は、会長のボクシングが世界へ通用することを証明するためにフットワークを使い始めます。

ホークを軸に円を描くように足を使い、間断なく繰り出す左によって圧倒する鷹村。

左で距離を測り右ストレートをクリーンヒットさせると、後方へ飛んでダメージを逃がしたホークをスピード地獄によって追い詰めていきました。

しかしなんと、鷹村のマックススピードを上回ったホークのカウンターをもらった鷹村は逆にダウンしてしまいます。

立ち上がった鷹村はここから重量級とは思えないハイスピードの攻防を繰り広げ、両者のパンチが交互に当たります。

しかし、互角と思われていた打ち合いでしたが、世界レベルの戦いに場慣れしていない鷹村を徐々にホークのパンチがを捉え始めました。

ホークの強打によって二度目のダウンとなった鷹村。

セコンドの鴨川会長は大声で名前を連呼し、会場中も悲痛な鷹村コールが鳴り響く中、大丈夫と言わんばかりに両手を突き上げて立ち上がります。

ホークのパンチをかいくぐり、背後にエスケープしたと思われた鷹村でしたが、そのままロープへもたれかかり、意識が飛んでいることが発覚します。

会場の声援によって意識を取り戻した鷹村は、ダウンしたことすら気づいておらず、またもコーナーへと追い詰められてしまいます。

ここからお手本のような左を連射し、最初は上体反らしでかわすホークですが、さらに一歩踏み込んで放つ鷹村の左ジャブによって、ホークはこの試合初のダウンとなります。

第2ラウンドが終わり、インターバルで「会長のボクシングが世界に通用する」と断言する鷹村は、第3ラウンドもホークの上体反らしを左で狙い撃ち、ダウンを奪います。

怒りに震えるホークは立ち上がり、鷹村も両手を胸の前で力強く合わせて前に出ます。

リング中央で両者の拳がぶつかり合い、もの凄い炸裂音が会場に反響(こだま)すると、鷹村はガードを下ろし本来の構えとなります。

フォームは違えどほぼノーガード状態で対峙する両者が、手の届く位置でニラミ合うと、ホークの突然のパンチを皮切りに全弾フルスィングの激しい打ち合いが始まりました。

互角の打ち合いが続き、ここで第3ラウンド終了のゴングが鳴りました。

続く第4ラウンドに入ると、ケンカファイトに身を投じたことにより本来のパワーを開放し始めた鷹村は、主導権を握りホークを圧倒します。

序盤に苦戦した展開からうって変わり、ホークを追い詰めたところで第4ラウンドが終わると、会場中が鷹村の勝利を予感し、静まり返ります。

第5ラウンドを迎え、鷹村が両拳を突き上げ会場中にKO宣言をアピールすると、ホークは呆然とした表情で見つめます。

このラウンドも鷹村の優勢が続くことに疑問を持ったセコンドのミゲルは、鷹村が残りわずかなスタミナをつぎ込んで戦っていることに気づき、ホークへボディを狙うよう指示を出します。

豪快なアッパーから返しの左を当てるとホークは氏に体となり、勝利は目前と思われた矢先、突然のリバーブローによって明らかに苦悶の表情を浮かべる鷹村。

この反応を見逃さなかったホークは、ガードを固めて完全防御態勢を作り上げます。

ガードの上からお構いなしにパンチを浴びせ、鷹村は全戦力をもって集中砲火しますが、ここで第5ラウンドが終了し、勝負は第6ラウンドへ持ち越します。

セコンドの鴨川陣営も減量苦によるスタミナ切れに気づきますが、鷹村は諦めずに手を出し続けます。

しかし、KOを期待する観客の声援むなしく、鷹村はこの試合3度目のダウンをしてしまいます。

顔面は鮮血で染まり、右眼は腫れあがった無残な姿となった鷹村は、それでも両手を上げてファイティングポーズを取ります。

ホークの凶悪なパンチにさらされ、とうとう限界を迎えた鷹村でしたが、ここで鴨川会長や一歩、青木村や板垣ら鴨川メンバーの思いに支えられていたことに気づきました。

負けられない鷹村は瀕氏の状態から起氏回生のワンツーを放ち、直撃を受けたホークは口から血を流すと腰をオトします。

鷹村もダメージが大きく、トドメをさせないまま第6ラウンド終了のゴングが鳴りました。

迎えた第7ラウンド、しぶとい鷹村に対しキレたホークが〇すつもりで放ったパンチがテンプルにクリーンヒットすると、鷹村の頭の中にこれまでのツラい減量や会長を傷つけたホークへの怒りが駆け巡りました。

ホークの顔を見て完全にキレた鷹村は突然に生き返り、状況が把握できていないホークへ圧倒的なラッシュで怒涛の反撃を開始します。

意識がとんだままの鷹村はホークに対し、テンプルやリバー、ジョーへと正確に急所を狙い始め、人間を撲〇する〇人パンチを次々に繰り出し、ホークは生まれて初めて恐怖の感情を味わうことになります。

ダウンしたホークを見下ろす鷹村は意識を取り戻し、右手を激しく振り回す最高のパフォーマンスで会場を沸かせます。

ホークが立ち上がったと見るやダッシュで殴りかかる鷹村ですが、ここで第7ラウンド終了のゴングが鳴りました。

「王様になって帰ってくる」

会長とそう約束した鷹村は、怒涛のラッシュで襲い掛かるホークに対し豪快なライトクロスで一気にペースを押し戻し、ここから一方的に殴り続ける展開となります。

鷹村のKO勝利目前と思われる最中、会場の伊達や宮田、一歩や会長は追い詰められた先にホークの内なる野生が解き放たれるであろう恐怖を感じていました。

そして、ホークは勝負を決めにいった鷹村が放った左を、なんとここにきて上体反らしでよける奇跡を起こします。

下からのパンチを放つホーク。

ミゲルもこれで勝利を確信します。

しかし、鷹村はこのパンチを皮一枚でかわすと、なんとカウンターを合わせホークをリングへ叩きつけました。

これで氏闘にピリオドが打たれたと思われましたが、血だらけのホークが立ち上がると、鷹村はレフェリーを押しのけてファイティングポーズをとります。

左で距離を測り、渾身の右ストレートを打ち抜いた鷹村。レフェリーが割って入りカウントが始まると、これにあわせて会場中が10カウントの大合唱を始め、客席の鴨川メンバーはリングへと走ります。

ホークはカウント7で大量の血を吐くと、レフェリーへ持たれかかるようにズルズルと倒れこみ、テンカウントによって鷹村は見事にJミドル級新王者の座に輝きました。

それでは、今回はこの辺で終わりたいと思います。

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